【目次】
#60 デンマーク・ラジオ・ビッグバンド スペシャル
挾間さんが2019年から主席指揮者を務めているデンマーク・ラジオ・ビッグバンドが設立から60周年を迎えたということでの特集。
デンマーク・ラジオ・ビッグバンドは通称DRビッグバンドと呼ばれていて、最初はニュー・ラジオ・ダンス・オーケストラという名前でデンマークの公共放送局が1964年に設立しました。当時はアメリカから多くのジャズ・ミュージシャンが演奏旅行に来たり、人種差別があまりない状況に居心地がいいと感じてそのまま住み着いたミュージシャンがいるなどデンマークのコペンハーゲンのジャズ・シーンというのは非常に盛り上がっていた時代でした。デンマークのスイング・ジャズの第一人者:イブ・グリンデマン、デンマークを代表するトランペット奏者:パレ・ミケルボルグ、アメリカからはサド・ジョーンズ、ボブ・ブルックマイヤー、ジム・・マクリーニーといったアーティスト達がこのDRビッグバンドを指揮してきました。
マイルス・デイヴィス、スタン・ゲッツ、ジョー・ヘンダーソンといったジャズの巨人達もゲスト・ソリストとしてDRビッグバンドと共演しています。
The Danish Radio Big Band『XL-LX』
デンマーク・ラジオ・ビッグバンドが創立60周年を記念して発表したアルバム。
Suite Electus - Aias
挾間さん作曲作品。「Electus」はラテン語で「選ばれし者」という意味だそうです。組曲で「Aias」はギリシャ神話に登場する英雄の名前だそうです。
Reflections for Clarinet & Jazz Orchestra, Pt. 1
デンマークを代表する作曲家:カール・ニールセンの楽曲。カール・ニールセンはデンマークの紙幣に肖像画が使われるほど有名なクラシックの作曲家。彼が1928年に作曲したクラリネット協奏曲作品57をデンマークのトロンボーン奏者:ピーター・イェンセンがDRビッグバンドのために再解釈した曲。ピーター・イェンセンは元々DRビッグバンドでトロンボーンを演奏していたメンバーでもありますが、今はコペンハーゲン内の違うバンドでのミュージック・ディレクターを担当しています。
Django Bates「Night At The Circus」
イギリスのジャズ・ミュージシャン:ジャンゴ・ベイツとDRビッグバンドの共演。ジャンゴ・ベイツは1960年生まれでピアノ、キーボード、アルトホルンを自在に演奏するアーティスト。1997年のアルバム『Like Life』より。
Eliane Elias「So In Love」
ブラジルのサンパウロ出身のピアニストでボーカリスト:イリアーヌ・イリアスのアルバム『Impulsive!』より。イリアーヌ・イリアスは1980年代からアメリカで活躍し、グラミー賞ベスト・ラテン・ジャズ・アルバム賞にも2度輝いています。彼女がゲスト・ソリストとして、ボブ・ブルックマイヤーが指揮と編曲を行い1997年に発表したアルバム。イリアーヌ・イリアス作曲。
Thad Jones「New York City」
デンマーク・ラジオ・ビッグバンドには欠かせないサド・ジョーンズ。1970年代にアメリカからデンマークへ拠点を移し、DRビッグバンドの主席指揮者も務めたトランペット奏者、作曲家。コペンハーゲンのジャズ・クラブ・モンマルトルでの1978年のライブを録音した『Live at the Montmarte: A Good Time Was Had By All』より。
週間プレイリスト
3月17日から23日までのブログに掲載した曲のプレイリストです。