今回は音楽ジャーナリストの原雅明さんをゲストに迎えて「コレクティブ・ジャズ」の特集でした。初心者にも解りやすい説明でした。
ジャズにはビッグ・バンドとかラージ・アンサンブルという大きな集団で演奏する形態からトリオとかカルテットのようなスモール・コンボという形態まであるのですが、何れにしても強力なリーダがいてその元で演奏するというもの。
「コレクティブ」はそうでなく一応リーダ的存在はいるけれども、メンバーも流動的だし、コミュニティーみたいなものから成り立っているジャズの集団。2010年代に入ってから特に目立ってきたそうです。実際にグループ名として「コレクティブ」と付けている集団も多くなってきているそうで、ロサンゼルスとロンドンのシーンで盛んだそうです。
ロサンゼルスの中心人物はカマシ・ワシントン(Kamasi Washington)。サンダー・キャット(Thundercat)など個でもキャラが立っている人たちがいて、まさにコレクティブな感じ。彼らがスタジオをみんなでお金出して借りて録り貯めた録音が170曲くらいあるそうです。その録り貯めた楽曲からカマシ・ワシントンやサンダー・キャットのアルバムへ個別に出していったそうです。一緒に録って、「これは君のリーダ作ね」と渡していく形態だそうです。技術の進歩により録音が手軽に出来るようになった宅録をみんなで集まってやる感じだそうです。
カマシ・ワシントンのバンドメンバーでもある、トロンボーン奏者のライアン・ポーター(Ryan Porter)のニューアルバム「Force For Good」から。
トロンボーン:ライアン・ポーター、テナーサックス:カマシ・ワシントン、ピアノ:ブランドン・コールマンまたはキャメロン・グレイヴス、エレクトリックベース:サンダー・キャット、ドラムス:トニー・オースティン
Ryan Porter「Carriacou」