ゲスト:舘野泉
2020年最初の放送は、昨年4月14日放送された舘野泉さんがゲストの回の再放送でした。舘野泉さんは「左手のピアニスト」として有名な方で、お話がすごく印象深かったので新年のこの再放送は大変嬉しかったです。
ふかわさん「愛に溢れた方」
まりさん「本当に優しくて、音楽に対する愛情はもちろんのこと、自然を愛する気持ちだとか、どうしてフィンランドにお住まいなのかという話を伺えた」
ふかわさん「ピアニストは演奏するピアノにこだわることも大事だと思うが、舘野さんはこだわったりしないと仰っていた」
舘野泉さんのプロフィール
1936年東京生まれ。20代からフィンランドのヘルシンキに移り住み、世界各国でコンサートを行い活躍してきました。1968年にはフィンランド国立音楽院シベリウスアカデミーの教授に就任。2002年演奏会中に脳溢血で倒れ、右半身付随に。2年に及ぶリハビリを経て、2004年5月「左手のピアニスト」として復帰。以後左手のための作品の発掘と新作の移植に力を注いてきました。2020年には演奏生活60周年を迎えます。
フィンランドにお住まいなのは、お母様が室蘭出身で舘野さんも生まれてすぐに行ったのが室蘭だった。北国の光とか独特の空気感に憧れがあってフィンランドに行きたいと思われたそうです。
「サムライ」 光永浩一郎・作曲(ピアノ)舘野泉
皆んなに「片方の手が使えなくなったのは精神的に辛かったのではないか」と言われるそうですが、ご本人は「どうってことない。なっちゃったものは仕方ない。」と思われているそうで、絶望したり、苦しかったりという記憶はないそうです。
奥様はフィンランドの方だそうですが、「あなたが病気で家にいた2年間ほど、私たちは笑ったことはないわね」と仰られているそうです。右半身が不自由なのでコップを取れなかったり、水を注げなかったりそそうをするのが笑いになっているそうです。
また奥様は「あなたはとうとう私のところに戻ってきてくれたわね」とも仰っていたそうです。演奏家として生活をしていると年の半分以上は海外で家にいない。病気をしていつでも家にいるようになったので「あなたはとうとう家に帰ってきてくれたのね。私がこれから養ってあげる。だから安心して休んで静かにしてらっしゃい。」と奥さんが言ってくれたそうです。ところが2年たったら「左手のピアニスト」となって世界に飛び出していっちゃっいましたと笑っておられました。
感動的なお話で、とても素敵なご夫婦。人生ってこうあるべきなんでしょうね。