シリーズJAZZジャイアンツ(42) クリード・テイラー
ヴァーヴ、インパルス!など名門レーベルを渡り歩き、CTIレーベルを立ち上げた名プロデューサー:クリード・テイラーが今年の8月に93歳で亡くなりました。今回はJAZZジャイアンツ初めてのプロデューサーの特集でした。
ピーター・バラカンさんも「ウィーエンドサンシャイン」で2週に渡り追悼特集されていましたね。
クリード・テイラーは1929年5月13日バージニア州のベッドフォードの出身。高校時代からハリー・ジェイムスやディジー・ガレスピーなどに憧れてトランペット奏者を目指したそうです。大学卒業後海軍に入隊、ミュージシャンとして仕事も少し始めましたが、制作の仕事を目指すようになりました。1954年頃クインシー・ジョーンズと出会い
ニューヨークのルディ・ヴァン・ゲルダーのスタジオで一緒に活動したそうです。
Ray Charles「One Mint Julep」
1960年ジャズのレーベル、インパルス!を立ち上げます。最初に出たアルバムの一つがレイ・チャールズの『Genius + Soul = Jazz』。1960年12月の録音。アレンジは、クインシー・ジョーンズ。レイ・チャールズとクインシー・ジョーンズは幼馴染だそうです。
John Coltrane「Blues Minor」
インパルス!は、1961年アトランティック・レコードとの契約が切れたジョン・コルトレーンと契約して最初のアルバム『Africa / Brass』を録音します。
Bill Evans「'Round Midnight」
1963年ピアニストのビル・エヴァンスと『Conversations With Myself(自己との対話)』というアルバムを制作します。最初ソロで録音して、自分が録音したピアノとデュエットでもう一度録音して、さらにもう一度音を重ねるという合計3回録音しているそうです。ビル・エヴァンスのアイディアをクリード・テイラーが採用したそうです。
Wes Montgomery「Chim Chim Cheree」
ギタリストのウェス・モンゴメリーがポップソングを弾いた1965年のアルバム『Goin Out of My Head』から映画『メリー・ポピンズ』の主題歌。
Grover Washington Jr.「Inner City Blues」
1967年クリード・テイラーはA&Mレコードに引き抜かれ、ジャズ部門を任されることになり、ジャズ専門レーベルの「CTI」を立ち上げます。1971年R&B色の強いCTIのサブレーベル「クードゥ」を立ち上げます。このレーベルからデビューしたのがサックスのグローバー・ワシントンJr.。マーヴィン・ゲイのカバー。
George Benson「Take Five」
CTIは1978年には破産してしまうそうです。クリード・テイラーは彼のキャリアの中で悔やまれるのはジョージ・ベンソンを彼の手でしっかりとポップスターとして世に送り出せなかったことでそうです。ジョージ・ベンソンがブレイクするのはCTIを離れた直後のアルバム『Breezin'』でした。
CTI時代にクリード・テイラーがプロデュースしたライブアルバム『George Benson In Concert--Carnegie Hall』より。