ラジオと音楽

ラジオから知った音楽のこと書いていきます

ワールドロックナウ 2019年6月30日

 

 

新譜紹介

 

The Raconteurs 「Help Us Stranger」

 

「DON'T BOTHER ME」
THE RACONTEURS
(2分54秒)

「BORED AND RAZED」
THE RACONTEURS
(3分35秒)

「HELP ME STRANGER」
THE RACONTEURS
(3分37秒)

 

11年ぶりの新作。Jack WhiteとBrendan Bensonという優れた才能を持ったメンバーが中心となって作られているバンド。それぞれ自分達の仕事をやっていて、ちょうどオフが重なったことによって「The Raconteursやろうか」と集まって作った新作になります。ですから、11年間曲が作れない、バンド活動どうしよう、そういうことでは全然なく、次は10年後になるかもしれないけれど、出会った時にはこういうハイテンションなものが作れるという感じです。

渋谷さん曰く、バンドとして最高だと思うとのこと。Jack WhiteとBrendan Bensonはそれぞれが得意とする分野のケミストリーがこのバンドのグルーブとスケール感を生んでいる。まさにLennon/McCartneyであるし、Mick Jagger/Keith Richardsが持っているバンドとしてのケミストリーを持っている。彼らはこのバンドだけやっていたらこういうものがどんどん出来て、パーマネントなバンドとして活動できるのでしょうが、そうはならない。Jack Whiteは色々なアウトプットを持っていて、その中の一つがThe Raconteurs。自分のペースの中で、自分の時間の中で、人生の中で、どこに位置付けて、どういう風にやるのかというのを自分の中で無理のないタイム感の中で表現していくからこそこのサウンドが出来てくる。今のロックバンドの在り方として、このやり方も一つの健全な生き延びていく一つの姿なのかなと思っているそうです。ビートルズストーンズをベースとしたバンドの姿は変化してきているということですね。

Jack Whiteは携帯電話持っておらず、人々が街で俯いて携帯を見ている姿はすごく滑稽に見えるそうです。The Raconteursのライブでは携帯電話は取り上げられ袋に入れなければいけないそうです。渋谷さんもスマホは持っておらず、エレベータに乗ると渋谷さん以外皆んなスマホを見るのでストレンジャーになった気分になるそうです。私もスマホはなるべく見ないようにしていますが、混んだ電車の中でも必死でスマホを見る人達、歩きスマホをする人達の気持ちは全く分かりません。「そんなに大切なことがスマホにあるか?」と思ってしまいます。

 

 

Jordan Rakei「Origin」

 

「MAD WORLD」
JORDAN RAKEI
(3分15秒)

 

「SAY SOMETHING」
JORDAN RAKEI
(2分41秒)

「MIND'S EYE」
JORDAN RAKEI
(4分07秒)

 

 イギリスのヒップホップ、ソウルミュージック、JAZZをクロスオーバーした新しい動き。Tom MishとかLoyle Carnerと一緒にそういうシーンを引っ張っている新しい才能です。Loyle Carnerのアルバムにゲスト出演しています。今回はポップにどんな人にも届く音作りを目指しました。何故ならアルバムの内容がヘビーでシリアスだから。

全ての情報が色々なところで色々な形で誰が持っているのか分からない今の情報化社会・ネット社会に対する危機感を強く持っていて、このアルバムで表現しています。

 

「MAD WORLD」

 

(訳詞)

興奮や熱狂を避けるんだ。喧騒を避けるんだ。僕のために。僕のために。

僕らを形づける瞬間から身を隠すんだ。喧騒から身を隠すんだ。

僕のために。僕のために。

秘密を守り続ける方法を見つけるんだ。完璧にするんだ。僕のために。僕のために。

逆らえない力から逃れるんだ。偽りから逃れるんだ。僕のために。僕のために。

狂気の世界。ここは狂気の世界。狂気の世界。ここは狂気の世界。

どうしてここでは生きていけないのか。

 

Jordan RakeiはStevie WonderとかSteely Danが大好きで、そういうものの現代版を作りたいという発言がよくわかる音作りをしています。歌われているテーマはディストピアユートピアの反対)、厳しい現実。今のAIに支配されている状況に対する危機感が表現されています。渋谷さんが面白いと思うのは、彼はアメリカのネットドラマを見てインスパイアされたところで、ネットからネットの警告を受けているのが面白いと。

 

「SAY SOMETHING」

 

Steely Dan感が半端ない曲という渋谷さんの感想。いいと思います。

 

(訳詞)

何か言っておくれ。何か言っておくれ。僕に向かって言っておくれ。

率直に言っておくれ。皆んなそうすべきだと思っている。

周りには誰もいない。苦しみだという意味だ。遠いどこかで、外は厳しい寒さ。

体の感覚が麻痺したかのよう。ここでは皆んな必死に生きようとしている。

そんな風に機械を疑ってくれる。ああ何か言ってくれ。僕に何か言っておくれ。

 

 「MIND'S EYE」

 

(訳詞)

いつも脳の中、魔法の迷宮から抜け出せない。希望を失ったとは思っていない。

僕は自分が巻き起こした混乱と対峙しているんだ。自分が巻き起こした。

心を大きく開くように働きかける。草むらに潜む野獣を目覚めさせる。

ちょっとでも遊び心があればいい。僕の心への入り口を見せてあげよう。

ああ心の目に映る。

 

Origin

Origin

  • Jordan Rakei
  • R&B/ソウル
  • ¥1500

 

 

Two Door Cinema Club「False Alarm」

 

「SATELLITE」
TWO DOOR CINEMA CLUB
(4分22秒)

「ONCE」
TWO DOOR CINEMA CLUB
(3分21秒)

 

このアルバムもAI、ネット化する社会への危機感がテーマ。

ポップだがシリアスに、詩を書いて、絵を読み解いて、僕ら自身の心を解放しろとうメッセージが歌われています。

 

「SATELLITE」

 

(訳詞)

詩を書いて、絵を読み解いて、飛べない鳥たちは豊かになっていく。

引き継ぎたいという気持ちから彼らは永世なんだ。

反応を貸し乗車券、危険を省みない奔放さ。時間を味方に、未来へ向かう。

凪いだ海、僕らはあちこち巡っていくのさ。君も一緒に来るんだよ。

天の廃材、ハードルを下げ、例外となるんだ。

魅力を隠して慎重な破壊。作られた歴史、僕らはあちこち巡っていくのさ。

皆一緒だよ。

 

False Alarm

False Alarm

  • トゥー・ドア・シネマ・クラブ
  • ポップ
  • ¥1650

 

 音だけ聴いた時はポップすぎるアルバムだなと思ったのですが、渋谷さんに詩を解説してもらってから聴くと、切なさというか心が少し揺れます。英語の詞が分かるようになりたい。

 

 

リクエストコーナー

 

TEDESCHI TRUCKS BANDのライブの感想。やっぱり凄いんだな〜と、見たことない私は想像を膨らましました。私もそうですが、バラカンさんと渋谷さんのリスナー層ってかなり被ってますよね。渋谷さんは「なかなか高度なリクエスト」と仰ってましたが、TEDESCHI TRUCKS BANDのライブの感想からAllman Brothersの曲をリクエストする方なんて凄いですよね。

 

 

海外情報(ロンドン情報)

 

Roger Daltrey「Who's "Tommy" Orchestral」

 

2006年以来の新作を今年中に出すと噂されているThe Who。どうやら本当に今年新作が出そうということです。

小嶋さん、Roger Daltreyへのインタビューに成功されたそうです。体育会系の人だそうで、年を取ると声帯を使わないと鈍ってしまうので、常にライブパフォーマンスをしているそうです。

The Whoのレコーディングは2/3くらい終わっているそうで、エレクトロニカとかサンプリングも入っているそうです。

7/6にロンドンのWembley Stadium(10万人キャパ)で最新ライブをやるそうです。

ロジャー・ダルトリーは75歳。ポール・マッカートニーミック・ジャガーピート・タウンゼント、この世代の方々お元気で何よりです。

 

 

 

今日のワールドロックナウ、ギター一杯聴けて楽しかったです。