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- マリアン・フェイスフル追悼特集
マリアン・フェイスフル追悼特集
1月30日に78歳で亡くなったマリアン・フェイスフルの追悼特集でした。日本ではマリアンヌ・フェイスフルと表記されていますが、英語の発音だと「マリアン」だそうです。文中ではマリアンと表現します。
Marianne Faithfull「As Tears Go By」
1964年に出たマリアン・フェイスフルのデビュー曲。彼女は1946年12月29日生まれなので録音時は18歳になっていません。マリアン・フェイスフルはロンドンの北のハムステッドというところで生まれました。バラカンさんが通っていた学校もハムステッドにあったそうで、高級住宅地だそうです。お父さんは戦時中スパイだったそうで、その後ロンドン大学の文学の教授、お母さんはオーストリア・ハンガリー系の貴族でした。マリアンが6歳の時に両親が別れて、しばらくロンドンを離れたところでお母さんと暮らしたそうです。お母さんはあまりお金がなく、マリアンはカトリック系の寮生の学校に入ります。学校を出て大学には入らずロンドンに出て行ったそうです。ロンドンのクラブでアンダーグラウンドの音楽シーンが盛り上がりつつあるところに出入りして、時々フォークソングを歌ったりしていたそうです。64年にローリング・ストーンズのためのパーティでストーンズのマネージャーだったアンドリュー・オールダムと出会います。アンドリュー・オールダムに「歌えるか?」と聞かれ、マリアンヌは「歌えます」と答えたところ1週間くらい経って「ロンドンのオリンピック・スタジオに2時に来い」という電報が届き、いきなりレコーディングとなったそうです。曲を作ったのは、ミック・ジャガーとキース・リチャーズ。1966年に結婚していたジョン・ダンバーと離婚し、ミック・ジャガーの恋人となります。
Marianne Faithfull「Something Better」
1968年ローリング・ストーンズが『The Rolling Stones Rock And Roll Circus』というテレビ番組を撮影します。結局テレビ番組としては放送されず、後にDVDとCDで発売されます。マリアンが1曲だけ歌っています。この曲は1969年にシングルで発売されたそうです。
Marianne Faithfull「Sister Morphine」
「Something Better」がシングルで発売された時のB面がこの曲だったそうです。ローリング・ストーンズのアルバム『Sticky Fingers』に収録されている曲ですが、このアルバムより前にマリアンが出したそうです。マリアンとミックとキース3人の共作だそうです。麻薬のことをテーマにしている曲で、実際にマリアンはそういう生き方をすることになってしまいます。
The Rolling Stones「Wild Horses」
この頃にマリアンは精神的にどん底に陥ってしまい、1969年にミック・ジャガーが映画に出演するためにオーストラリアに行く時に、同行したマリアンは飛行機で自殺未遂をしてしまったそうです。ストーンズの世界について行けなくなって、どうしても離れたくて絶望的になっていたそうです。昏睡状態に陥りましたが6日後にオーストラリアの病院で目が覚めます。その時最初に話したことが「Wild horses couldn't drag me away(荒馬が引っ張って行っても、でも私は離れない)」だったそうです。ミックとの関係はこれで終わってしまいますが、ミックはこの言葉を曲のタイトルにします。
マリアンは約2年間ロンドンのソーホーの辺りの路上で生活していたそうです。ヘロイン中毒にも陥っていたそうです。60年代にマリアンのプロデューサーだった人が彼女を見つけて録音はしたそうですが、80年代の半ばまで発売されなかったそうです。
Marianne Faithfull 『Broken English』
マリアンは1975年頃にヴァイブレイターズというパンクバンドのメンバー:ベン・ブライアリーと恋人になり、数年後に結婚します。彼と一緒にデモを作り、そのデモがこのアルバムとなったそうです。1979年のアルバム。
Broken English
The Ballad Of Lucy Jordan
絶望で自殺を考える主婦の話だそうです。
Marianne Faithfull『Strange Weather』
1987年のアルバム。ハル・ウィルナーというポピュラー音楽界でユニークなプロデューサーが手がけたアルバム。マリアンとハル・ウィルナーは大の仲良しになっていったそうです。
Strange Weather
トム・ウェイツとキャスリーン・ブレナンの作詞作曲。ギターはビル・フリゼール、ベースはフェルナンド・サンダース、アコーディオンはガース・ハドソン。
As Tears Go By
「As Tears Go By」の再録音。ギターはビル・フリゼール、アコーディオンはウィリアム・シメル、ベースはフェルナンド・サンダース。
Marianne Faithfull「Working Class Hero」
1990年のライブ・アルバム『Blazing Away』より。1989年11月にニューヨークのブルックリンの教会での録音。プロデューサーはハル・ウィルナー。ガース・ハドソンがアコーディオンとキーボード、ドクター・ジョンがピアノ、ギターがバリー・レイノルズとマーク・リボー、ベースはフェルナンド・サンダース、ドラムスはダギー・バウン、トランペットでルー・ソロフ。
Marianne Faithfull「As Tears Go By」
2018年のアルバム『Negative Capability』より。「As Tears Go By」の3度目の録音。
マリアンはC型肝炎、乳癌を克服しますが、コロナの時に昏睡状態となります。復帰はしましたが声が潰れてしまい歌うことが出来なくなってしまいました。最後のアルバムとなった2021年のアルバム『She Walks in Beauty』は、彼女の若い時から好きだった詩を朗読するアルバムでした。