シリーズJAZZジャイアンツ(48)ジャッキー・マクリーン
今回のJAZZジャイアンツは、アルトサックス奏者のジャッキー・マクリーンでした。
若くしてマイルス・デイヴィスやソニー・ロリンズなどとの共演でデビューしました。よく歌う独特のトーン、とりわけ日本では「Left Alone」などがジャズ喫茶ですごい人気だったそうです。
ジャッキー・マクリーンは1931年5月17日ニューヨークに生まれました。ギタリストだったお父さんは、ジャッキーが7歳の時に事故で亡くなります。母親が再婚した相手が、ハーレムでジャズ専門のレコードショップをやっている人だったそうです。そのレコードショップやキリスト教会で音楽に触れて、14歳の時にはソプラノサックスをもらって音楽を始めます。15歳の時にはアルトサックスに持ち替えます。ハーレムというジャズを学ぶには申し分のない刺激に溢れた町で育ち、高校時代の先輩にはソニー・ロリンズがいたり、近所にバド・パウエル兄弟が住んでいたりと、ビバップが誕生する1940年代にビバップの中心となるようなミュージシャンたちと交友を深めていきます。
2006年3月31日コネチカット州の自宅で亡くなりました。
Jackie McLean「It's You or No One」
1955年ジャッキー・マクリーンの初リーダー作『The New Tradition』をルディ・ヴァン・ゲルダーのスタジオで吹き込みます。このアルバムは、のちに『The Jackie McLean Quintet』というタイトルで再発されます。
メンバーは、ジャッキー・マクリーンのアルトサックス、ドナルド・バードのトランペット、マル・ウォルドロンのピアノ、ダグ・ワトキンスのベース、ロナルド・タッカーのドラムス。
Jackie McLean「Sentimental Journey」
1956年にはプレスティッジと契約して次々とアルバムを制作します。その中から代表作『4 5 & 6』より。このアルバムタイトルは、カルテットの「4」、クインテットの「5」、セクステットの「6」に由来するように、3つの異なる編成で演奏が収められています。この曲はカルテットでの演奏。
メンバーは、ジャッキー・マクリーンのアルトサックス、マル・ウォルドロンのピアノ、ダグ・ワトキンスのベース、アート・テイラーのドラムス。1956年7月の録音。
Mal Waldron「Left Alone」
親友のピアニスト:マル・ウォルドロンとの名演奏。この曲はボーカルのビリー・ホリデイの伴奏者だったマル・ウォルドロンがビリー・ホリデイのために書いた曲で、歌詞はビリーが書いたにも関わらず録音されないままに1959年7月ビリー・ホリデイが他界してしまいます。
ジャッキー・マクリーンをフィーチャーしたこの曲は1959年2月と書かれているので、正しいとすればビリーの生前に録音されたことになります。リリースは、ビリー・ホリデイの死後の1960年だったこともあって、追悼演奏として世間的には認識されているそうです。
メンバーは、ジャッキー・マクリーンのアルトサックス、マル・ウォルドロンのピアノ、ジュリアン・ユーエル のベース、アル・ドリアーズのドラムス。
Jackie McLean「What's New」
1959年に念願のブルーノートと契約ができます。ブルーノートの第2弾となる1959年10月録音の『Swing, Swang, Swingin'』より。
メンバーは、ジャッキー・マクリーンのアルトサックス、ウォルター・ビショップ・ジュニアのピアノ、ジミー・ギャリソンのベース、アート・テイラーのドラムス。