運の音楽
今週のテーマは「運の音楽」。いいも悪い意味も。
Rickie Lee Jones「A Lucky Guy」
1981年にリリースされたリッキー・リー・ジョーンズのセカンド・アルバム『Pirates』に収録されている彼女のオリジナル曲。どうしようもなくいい加減な楽天家のボーイフレンドへの愛と憎しみ、優しさ、そして自分自身に対する慰めが込められた曲。かつての恋人、トム・ウェイツのことを歌った曲だそうです。
Harold Melvin&The Blue Notes「Bad Luck(ft. Teddy Pendergrass)」
1970年代のフィラデルフィア・ソウルを代表するグループの一つであるハロルド・メルヴィン&ザ・ブルー・ノーツが75年に放ったヒット曲。財産を失い、家を手放し、女性にも家を出ていかれた貧乏神に取り憑かれた男性のことが歌われた曲。最後の方では、ウォーター・ゲート事件で辞任に追い込まれたニクソン元大統領を皮肉り、頼りになるのは神だけと歌われています。音楽的にはフィリー・ダンサーの傑作で、テディ・ペンダーグラスの熱唱もさる事ながら、MSSPの畳みかけるような躍動感あふれる演奏で後のハウス・ミュージックのお手本になったとされています。
音楽のバックステージ(渡辺亨)
Burt Bacharach&Daniel Tashian『Blue Umbrella』
バート・バカラックとダニエル・タシアンの新譜。バート・バカラックは自分の名義を冠したアルバムとしては約15年ぶりだそうです。
ダニエル・タシアンはナッシュビルに住んでいるミュージシャン、ソングライター、プロデューサー。1974年生まれ。昨年グラミー賞で最優秀アルバム賞を受賞したケイシー・マスグレイヴスのアルバム『Golden Hour』のプロデューサー、ソングライターだそうです。バカラックはダニエル・タシアンの存在を知って一緒に曲作りを始めていて、グラミー賞の授賞式のあるバカラックの家もあるロサンゼルスで初めて会ったそうです。そして一緒の部屋でバカラックがピアノを弾きながら一緒に曲を作ったそうです。ところがコロナ禍によって会えなくなり、リモートでデータをやりとりして最後は作ったそうです。バカラックは何と92歳だそうです。
Bells Of St.Augustine