ピーター・グリーン特集
7月26日の「Barakan Beat」で予告された通り、今回は7月25日に73歳で亡くなったピーター・グリーンの追悼特集でした。
ピーター・グリーンが生まれたのは1946年でエリック・クラプトンより1歳年下です。かなり早くからギターを弾いていて、10歳か11歳の時にお兄さんがEとAとB7というギター・コードを教えてくれたそうです。1950年代半ばでイギリスはスキッフル一色、ロックン・ロール・ブームが起こりつつある時でした。この後、シャドウズが大人気となって、若きピーター・グリーンもシャドウスのハンク・マーヴィンが一番好きなギタリストだったそうです。彼はユダヤ系で本名はグリーンバウムです。お父さんは郵便配達員でした。生まれはロンドンの東の下町。ユダヤ人が多い町だそうです。この頃のイギリスは民族や人種に対する差別が酷かった時代だそうで、ピーター・グリーンも学校で意地悪されたそうでグリーンバウムのバウムを落として、ピーター・グリーンとしたそうです。
10代から色んなバンドで演奏して、ジョン・メイオールのブルースブレイカーズで少しの間ですが演奏します。この当時はエリック・クラプトンがブルースブレイカーズのメンバーですが、当時のクラプトンはコンサートのドタキャンが多かったらしく、ある時いきなりギリシャに行ってしまい、もう帰ってこないという話だったそうです。困ったジョン・メイオールにピーター・グリーンが「俺にもチャンス頂戴よ」と掛け合って、メンバーになったと思ったらクラプトンが戻って来てしまいます。その後クラプトンがクリームを結成して抜けた後、正式にピーター・グリーンはジョン・メイオールのグループに入ります。1967年の初めに発表される『A Hard Road』というアルバムに参加しています。
John Mayall & The Bluesbreakers「The Stumble」
フレディ・キングのカバー。
ピーター・グリーンのリードギターがフィーチャーされています。
ジョン・メイオールのグループを離れたピーター・グリーンは新たなグループをやろうとブルー・ホライズンというインディ・レーベルと契約します。ミック・フリートウッド(ドラム)とジョン・マクヴィー(ベース)とデモ・セッションをした時にインスト曲のタイトルが決まっていないのでテープの箱にピーター・グリーンが「フリートウッド・マック(Fleetwood Mac)」と書いたそうです。仮に曲のタイトルをメンバー二人の名前に因んで付けたそうですが、グループ名が「フリートウッド・マック」となります。なぜ自分のピーター・グリーンという名前をどこにも付けなかったか。そういう欲のない人のようです。
1968年アルバム『Peter Green’s Fleetwood Mac』が発売されます。このデビュー・アルバムはかなり話題になったそうです。バラカンさんはライブも近所のパブに観に行ったそうです。羨ましい。
Fleetwood Mac「Looking for somebody」
ピーター・グリーンの歌とギターとハーモニカがフィーチャーされています。
Fleetwood Mac「Need Your Love So Bad」
リトル・ウィリー・ジョンのカバー。バラカンさんはシングル盤買われたそうですが、製造ミスで同じ溝に何度も何度も戻ってしまったそうです。レコード盤ではそういうことありましたね。
Fleetwood Mac「Albatross」
ピータ・グリーンの作曲。1968年イギリスで1位になったそうです。
音楽界を退いてから、ピーター・グリーンは統合失調症と診断されます。
1970年フリートウッド・マックがヨーロッパ・ツアーをしている時にドイツのヒッピーに振舞われたLSDからピーター・グリーンはだいぶ変わっていってしまったそうです。
元々精神的に病んでいるところもあり、エコな生活に憧れていた部分もあったそうです。お金の世界に懐疑心を持っていたようです。繊細な人。
Fleetwood Mac「Oh Well (Pt. 1 + 2)」
1969年の大ヒット曲。「Oh Well」とは「まあ、いいか」というニュアンスだそうです。ピアノを弾いているのは長年フリートウッド・マックで活躍するクリスティン・マクヴィーだそうです。
1970年代に入って、ピーター・グリーンはフリートウッド・マックをやめます。70年代半ばに精神病院に入って電気ショック療法を受けていたそうです。大ヒット曲がたくさんあったので印税が入ってくるのですが、ピーター・グリーンはそれを拒否していたそうです。
1978年退院して新たなレコード会社と契約して『In the Skies』というアルバムを作ります。歌もギターもかなり良く「このまま続けてまた元気になるかな」とバラカンさんは思ったそうですが、意外にそうはならず、主だった活動はこれっきりで本当に残念とバラカンさん。
初めて聴いた方がもしいたら、彼のギターがいかに素晴らしかったか、分かったと思いますので、ぜひ彼のことを忘れずに、沢山の素晴らしい作品があるので、聴いてください。
Peter Green「A Fool No More」