ラジオと音楽

ラジオから知った音楽のこと書いていきます

音楽遊覧飛行 2021年8月9日・11日(ハイラ・アルビー、イダン・ライヘル、スワヴェク・ヤスクウケ)

 

オラが国のスター

 

マリ北部の町トゥンブクトゥ出身の女性歌手ハイラ・アルビーが紹介されました。ハイラ・アルビーは父親がトゥアレグ人、母親がソンガイ人のもと1959年に生まれました。幼い頃から結婚式や伝統的な祭りで歌い始め、11歳の時にトゥンブクトゥ市の音楽団で歌い始めました。その後マリ東部の町ガオの芸術団に加わりました。保守的なイスラム教徒だった彼女の父親は彼女に音楽をやめさせるために16歳で彼女を結婚させました。しかし、彼女は早々と離婚して音楽活動を再開しました。1992年彼女はバンドやグループの一員ではなく、自分の名前でソロ活動を始めました。女性歌手が自分の名前で活動を行うのはまりでは彼女が初めてでした。二番目の夫の親戚だった同郷のミュージシャン:アリ・ファルカ・トゥーレの力を借りて、彼女は必要な楽器と自分の楽器を手に入れることができました。彼女はトゥアレグの言語であるタマシェク語、ソンガイ語、バンバラ語、アラビア語などで歌詞を書き力強い声で女性の自立や幸福、そして西アフリカで今も続く悪しき風習である女性器切除に反対する歌を歌い、多くのアフリカの女性たちを勇気づけました。また、地元の弦楽器であるンゴニやンジャルカのほかエレキギターやドラムス、ベースを取り入れパワフルなステージを行い、いつしか彼女はトゥンブクトゥのナイチンゲール、またはトゥンブクトゥのアレサ・フランクリンと呼ばれるようになりました。そして彼女は2006年にはマリ政府から国家功労賞を受賞しました。しかし、2012年トゥアレグイスラム主義者によってマリ北部紛争が起きトゥンブクトゥが占領されると、彼女は故郷を追われ彼女はマリの首都のバマコで3年間逃亡生活を余儀なくされました。2015年トゥンブクトゥに戻った彼女は「私たちの宗教は音楽を禁止したことはありません。預言者がメッカに到着した時、歌で迎えられました。私たちは戦い続けます。」と述べました。その後、ワールドツアーを行い、世界に知られ始めた矢先、2018年9月彼女は58歳でバマコの病院で亡くなってしまいました。サラーム海上さんは2017年にイスラエルで彼女のライブを見ているそうです。

 

Khaira Arby「Haidara Moulaye」

この春2010年にニューヨークで行ったライブアルバムが発売されました。

Live In New York

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世界のライブ(サラーム海上

 

今月のサラーム海上さんの音楽遊覧飛行(エキゾチッククルーズ)のテーマは「世界のライブ」。コロナ禍で今年も夏フェスにはなかなか行けないので、ステージの熱気が感じられるライブ録音の曲を世界中から選んでくれました。

 

Idan Raichel「Scraps of Life」

イスラエルのシンガーソングライター:イダン・ライヘルのピアノ弾き語りを主体に行ったライブアルバム『- Piano - Songs』より。数千人の観客が一緒に歌っています。

 

 

Slawek Jaskulke「Park4」

ポーランド人のピアニスト:スワヴェク・ヤスクウケが暮らすバルト海に面した町ソポトの野外庭園で2019年の夏に行われたソロコンサートを収めたライブアルバム『Park.Live』より。元々リリース予定はなかったのですが、録音を聞いて庭園での小鳥やカモメなどの鳴き声、子供たちの声がピアノと絶妙に美しく調和していたため、リリースとなりました。