シリーズJAZZジャイアンツ(26)ジャコ・パストリアス
今回のジャズジャイアンツはベーシストのジャコ・パストリアスでした。
ジャコ・パストリアスは1951年12月1日フィラデルフィア近くのノリスタウンというところで生まれています。お父さんがドラマーで歌手でもあったという音楽家の家で育ちました。8歳の頃フロリダに引っ越します。最初はドラムを演っていますが、ハイスクールの頃ベースに転向します。地元のR&Bのバンドなどでベーシストして才能を開花させます。19歳で子供を授かり、子供が生まれた時に病院で「自分は世界一のベーシストになるんだ」という決意を固めたそうです。
Jaco Pastorius『Jaco Pastorius』
1975年録音のファーストアルバム『ジャコ・パストリアスの肖像』。
ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズのドラマーであるボビー・コロンビーがエピックで新しいレーベルを立ち上げて誰か新人を出そうとしていた時に選んだのがジャコ・パストリアス。ボビーはジャコの奥さんのトレイシーにフロリダの野球の試合会場で声をかけて「結婚しているのか?」と聞いたそうです(ナンパです)。奥さんのトレイシーは「していますよ。私の旦那は世界一のベーシストです。」と答えたのがきっかけとなったそうです。
Donna Lee
チャーリー・パーカー(マイルス・デイヴィスが作ったと言われている)の名曲。
Come On, Come Over
トランペット:ランディ・ブレッカー、ロン・トゥーリー、テナー・サックス:マイケル・ブレッカー、アルト・サックス:デイヴィッド・サンボーン、バリトーン・サックス:ハワード・ジョンソン、バス・トロンボーン:ピーター・グレイヴス、各種鍵盤楽器:ハービー・ハンコック、ドラムス:ナラダ・マイケル・ウォルデン、コンガ:ドン・アライアス、ボーカル:サム&デイヴ。
Continuum
各種鍵盤:ハービー・ハンコック、アレックス・ダルクィ、ドラムス:レニー・ホワイト、コンガ:ドン・アライアス。この曲はジャコが19歳の時に作ったそうです。
ジャコにとってコンガという楽器はとても重要だったようです。育ったフロリダの街の環境の中でキューバからの移民やキューバから聞こえてくるラジオの音楽がとても重要で影響が大きかったようです。ベースの独特の柔らかい音色もコンガに関係あるのではという大友さんの推察です。
晩年のジャコ・パストリアスは結構大変で、刑務所に入ったり、精神病院を出たり入ったり、双極性障害で苦しみ、ライブで突然飛び入りで来て酷い演奏だったという話も残っているそうです。ライブ会場に入ろうとしたジャコと警備員がもみ合いとなり、頭蓋骨を骨折するなどして、これが原因で1987年9月21日に35歳で亡くなってしまいました。
最後に1986年12月21日ドイツのドルトムントでのライブから「Continuum」がかかりました。すごく印象深い演奏でした。