昨年8月に放送された特集番組の第2弾。凄く印象に残っている番組でシリーズ化されないかなと密かに思っていたところの第2弾。
iTunesのリンクを貼らせて頂きましたが、少し聴くだけでも、紹介された楽曲のそれぞれのエリア感が出ていると思います。音楽への興味を広げてくれた番組で感謝しています。
番組の進行は、世界中でライブを行っているバンド「ソイル&ピンプ・セッションズ」のメンバー“社長”。毎日そのエリアに詳しいゲストがナビゲートしてくれます。
1日目 ロンドン 【ゲスト】松浦俊夫
ロンドンのジャズシーンで熱い地域は南ロンドン地区だそうです。移民が多いエリア。元々労働階級の人が多く住む住宅エリアとして成り立っていて治安が悪かった。アート系の大学が二つあるので安い家賃を求めて若い人達が移り住んできた地域だそうです。
シーンの中心人物はサックス奏者のシャバカ・ハッチングス(Shabaka Hutchings)、ドラマーのモーゼス・ボイド(Moses Boyd)、キーボーディストのジョー・アーモン・ジョーンズ(Joe Armon-Jones)、女性のサックス奏者のヌバイア・ガルシア(Nubya Garcia)、エズラ・コレクティヴ(Ezra Collective)。
Sons Of Kemet
シャバカ・ハッチングスを軸とするバンド。高揚感溢れるリズム。
Moses Boyd Exodus
モーゼス・ボイドのデビュー・アルバム。クラブ・ミュージック。
Kokoroko
南ロンドンは女性の活躍が目覚ましいそうです。
Yazz Ahmed
中東っぽい楽曲。
Auntie Flo
ワールドミュージックとエレクトロニカとの融合。サイケな感じ。
Radio Highlife [輸入アナログ盤 / 1LP] (BWOOD0185LP)_644 [Analog]
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Kamaal Williams
クラブシーンから出てきたミュージシャン。中国系イギリス人。
2日目 ロサンゼルス 【ゲスト】マーク・ド・クライヴロウ
ロサンゼルスはジャズ・トゥナイトでも紹介された「コレクティブ」の街ですね。
Dwight Trible
歌とサックスの絡み合う感じが高揚します。サックスはカマシ・ワシントン。
Kamasi Washington
サンダー・キャットは幼馴染で、ティーンエイジャーの頃からスヌープ・ドッグのバンドに入っていたそうです。ゲーム好きなので「ストリートファイター」。
HEAVEN & EARTH [輸入盤CD] (YT176CD)
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Mark de Clive-Lowe
ゲストのマーク・ド・クライヴロウの新譜。初めて日本をテーマにしたそうです。
Thundercat
アリアナ・グランデもカバーしたそうです。
Flying Lotus
サンダー・キャットのアルバムをプロデュースしています。天才だそうです。
サックス:カマシ・ワシントン、ピアノ:ハービー・ハンコック。
You're Dead! [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 初回盤のみ特殊パッケージ仕様 / 国内盤] (BRC438)
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3日目 サンパウロ 【ゲスト】中原仁
サンパウロは人口1千万以上の南米最大の都市。ブラジル経済の中心地(首都はブラジリア)。ブラジル中から色んな人が来て生活している街。東京みたいなところ。日本の23倍のあるブラジルの地方の様々な地方オリエンテッドな音楽が全てサンパウロに集まってきている。サンパウロは東京のような都会独特のミックスセンスで音楽を発信している。
Dani Gurgel & Debora Gurgel
サンバとジャズが出会った音楽ジャズ・サンバをリードする親子。
30年代、40年代からブラジルの音楽家というのはジャズの影響も受けていた。ボサノバがジャズと近しい。ボサノバは今から60年少し前にブラジルで生まれてアメリカのジャズ・ミュージシャンが気に入った。それ以降アメリカのジャズ・ミュージシャンがアメリカに行って交流して影響を与え合った。51年前渡辺貞夫さんが1968年にアメリカのジャズ・フェスティバルに出た後で当時小野リサのお父さん(当時サンパウロでクラブを経営していた)の誘いでサンパウロに行って、渡辺貞夫さんが学んだジャズの最先端のメソッドをブラジルのミュージシャンに教え、渡辺貞夫さんはセッションをしながらブラジルのミュージシャンからサンバのリズムを吸収をしたそうです。
Mental Abstrato
ヒップホップ・ミーツ・ジャズ。「ソイル&ピンプ・セッションズ」のドラムのみどりんさんもお気に入りということです。確かにこのアルバムはいいです。この番組で紹介された中で一番気に入りました。
Lourenco Rebetez
サンパウロ出身のギタリスト、作編曲家。アフロ・ブラジルのリズム(宗教儀式の音楽)。
- アーティスト: ローレンソ・ヘベッチス LOURENÇO REBETEZ
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Andre Mehmari
リオ出身のサンパウロのピアニスト、プロデューサー、作編曲家。日本にもよく来られて伊藤ゴローさん、藤本一馬さんとも共演しているそうです。2013年11月の東京公演を収録したライヴ録音。
Quartabe
クラリネット、サックスを演奏する女性ジョアナ・ケイロスが組んでいるバンド。女性4人と男性1人という女性上位のバンド。
Antonio Loureiro
4日目 イスラエル 【ゲスト】サラーム海上
イスラエルの人口は870万人くらい。国内だけでジャズのミュージシャンとして食べていくのはかなり難しい。しかし、誰もが英語を喋るしダブルパスポートを持っている人が多い。ヨーロッパやアメリカに頻繁に出かけて現地のジャズシーンを回って食べているミュージシャンが凄く目立つそうです。テルアビブとエルサレムがジャズの中心地。エルサレムは標高800メートルと山の上、冬は雪も降るし、歴史的に色んな宗教のものがある。かなり重い雰囲気。テレアビブは地中海に面したビーチの街。パーティとか沢山ある。凄く開放的な雰囲気。高速鉄道で40分で移動できる。
Avishai Cohen
長らくニューヨークに住んでいたが、最近エルサレムに戻ってきた。イスラエル・ジャズの中心人物。ベーシスト。1970年生まれの49歳。ジャコ・パストリアスに憧れてエルサレムのライブハウスで活動を始めたそうです。1992年に単身ニューヨークに渡り、道路工事など下積み生活をしながらピアニストのチック・コリアに見出されて1994年にグループ オリジンに参加して、その後自分自身のトリオを結成して現在に至ります。
Shai Maestro
天才ピアニスト。アヴィシャイ・コーエンによって才能を見出された一人。来日するそうです。
Omer Avital、Avi Avital
ジャズとクラシックを融合したデュオによる空想のモロッコ音楽。
Yotam Silberstein
ギタリスト。最近はブラジル音楽、地中海の音楽に回帰した作品を発表しています。
Omri Mor
ピアニスト。5月に来日したそうです。彼もアヴィシャイ・コーエンのトリオから頭角を現したそうです。
「イスラエルは国が不安定で若者が生死の境目を見たことがあるから、日々本質的になる。強いメッセージを音楽にも持ってしまう。」とアヴィシャイ・コーエンが言っていたそうです。
イスラエルでは大企業に就職するよりも個性を発揮する方が大切。大企業に就職すると失望されるそうです。日本とは逆ですね。
5日目 ソイルと世界旅行 【ゲスト】ソイル&ピンプセッションズ
最終回はソイル&ピンプセッションズのメンバーと世界各地を巡って出会ってきたエキゾチックなジャズシーンを振り返ります。31ヶ国も回ったそうです。
トランペット:タブゾンビ、ピアノ:丈青、ベース:秋田ゴールドマン、ドラムス:みどりん。
Third World Love
タブゾンビさんのチョイス。イスラエルのベーシスト、オマール・アビタルを中心としたカルテット。
- アーティスト: Third World Love
- 出版社/メーカー: Anzic Records
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Themba Mkhize
丈青さんのチョイス。南アフリカのピアニスト。加藤登紀子さんが一緒に仕事をされたこともあるそうです。
Seba Kaapstad
南アフリカ出身のネオ・ソウルバンド。最新アルバム。
Sarathy Korwar、MC Mawali
タブラ込みのドラムセットで演奏するインド人。最新アルバム。
Christian Prommer、Walfgang Haffner
みどりんさんのチョイス。ドイツ人ドラマー。凄くかっこいいです。気に入りました。
- アーティスト: Christian Prommer's Drumlesson
- 出版社/メーカー: Sonar Kollektiv
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Charlie Haden、Keith Jarrett
秋田ゴールドマンさんのチョイス。ホテルでチェックインするチャーリー・ヘイデンを見たことがあるそうです。その時指差して「あ、チャーリー・ヘイデンだ」と声に出してしまい、するとチャーリー・ヘイデンは踊りながら秋田ゴールドマンさんに近づいてきたそうです。嘘みたいな奇跡的な話ですね。
- アーティスト: キース・ジャレット&チャーリー・ヘイデン,キース・ジャレット,チャーリー・ヘイデン
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2010/05/05
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勉強になりました。第3回を期待したいです。