祝・1000回記念スペシャル
1999年4月から始まったこの番組1000回を迎えたそうです。記念して4時間半の特番でした。リスナーの方からのもう一度聴きたい曲のリクエスト、選曲家(藤川パパQ、湯浅学、渡辺亨)による「一生に一度は聴いて欲しい曲」、また選曲家の3名の方にゴンチチさんがいないところでディレクターのタツミさんがインタビューするコーナーもありました。番組のジングルを三上さんがたくさん作っていて、歴代のジングルの紹介がありました。そしてゴンチチさんの蔵出しライブ(2007.9.12/13 浜離宮朝日ホール)。盛り沢山でした。
ここでは選曲家の御三方の「一生に一度は聴いて欲しい音楽」を掲載させて頂きます。
一生に一度は聴いて欲しい音楽(藤川パパQ)
パパQさんは2019年に出た新しいアルバムからセレクトされました。
Jazzmeia Horn「Out The Window」
若手のアメリカのジャズ・シンガー・ソングライター。非常に注目を集めていてアルバム『Love And Liberation』はセカンドアルバム。
Marc Anthony「Un Amor Eterno」
プエルトリコ系でNY生まれ。ニューアルバム『Opus』は現代のサルサの最高のアーティストのアルバムということです。スペイン語で歌っています。
Santana、Buika「Breaking Down The Door」
サンタナのニューアルバム『Africa Speaks』。ブイカというスペイン マジョルカ島
出身の女性アーティストとコラボしています。ブイカさんが詞を書いて、サンタナさんが曲をつけているそうです。
Tinariwen「Tenere Maloulat」
アフリカの砂漠のブルースのカリスマ的存在だそうです。サハラ砂漠のトゥアレグ族のメンバーから構成されています。砂漠を移動しながらアウトドア・レコーディングしながら完成させたそうです。
Mart'nalia、Toquinho「イタポアンの午後(Tarde Em Itapoa)」
ブラジルの若手女性シンガー。「ヴィニシウス・ヂ・モライス」の作品を歌っているアルバム。マルチナリアさんはサンバの偉大なアーティストであるマルチーニョ・ダ・ヴィラさんの娘さん。この曲のギターを弾いているのはトッキーニョ。
一生に一度は聴いて欲しい音楽(渡辺亨)
亨さんの好きな曲。
Sparks「抱きしめたい(I Wanna Hold Your Hand)」
ビートルズのカバー。高校生の時買ったシングル盤だそうです。数あるビートルズのカバーの中で五本指に入るというご評価。
Martha Reeves&The Vandellas「Dancing In The Street」
モータウンの曲の中で五本指に入るというご評価。かっこいい曲ですよね。ビートの推進力がすごい。「当時のアフリカンアメリカンの前へ前へ」ということを体現していると亨さん。
菊地雅章「circle/line」
ポリリズムの素晴らしさを知った曲だそうです。7/8拍子である時点でリズムが合う。当時は打ち込みは無かったので、ミュージシャン全員がスタジオに入って、菊地雅章さんは10種類位のキーボードを曲の中で弾き分けているそうです。スタジオの中を移動しながら。これがグルーブということです。長尺な曲。1980年11月にNYで録音されたそうです。
Caetano Veloso「Nega Maluca~Billie Jean~Eleanor Rigby」
3曲のメドレー。解釈が最も素晴らしいカバーということです。「Nega Maluca」は1950年代に作られたブラジルのサンバ調の曲。若い男の人が遊戯場で遊んでいる時にある女性が「これあなたの子供よ」と言ってきたという曲。「Billie Jean」はマイケル・ジャクソンがある女性から「この子供はあなたの子供よ」と言われた。違うと否定するわけですが。マイケル・ジャクソンの紐解きの一つは「孤独」。「Eleanor Rigby」は「Lonely People」ということが歌われている。「寂しい」「孤独」「ソリチュード」という繋がりのある楽曲をつなげたカバー。名演、名解釈。
一生に一度は聴いて欲しい音楽(湯浅学)
山下洋輔「Flight from Autumn Leaves」
1974年に山下さんが出したソロアルバム『ヨースケ・アローン』に収められている曲。「枯葉」を山下流にリアレンジしたもの。湯浅さんはこれを聴いた時にすごく爽やかな気持ちになったそうです。音楽ってまだまだやることが沢山あるんだなと思ったそうです。
Derek Bailey「Improvisation 10」
即興演奏ばかり演っているギタリストで、何も考えないでアルバムを通して聴いて欲しいそうです。
Sparks「The Number One Song in Heaven」
「ヒット曲」にはヒットを目指した曲と偶然チャートで上位にいった曲がありますが、究極の1位は天国で1位になることではないかと教えてくれた曲だそうです。
スパークスというのは兄弟二人組で1979年に出したアルバム『No.1 In Heaven』に入っている曲。現生でヒットしなくても天国で1位になるかもしれないという曲。
ハナ肇とクレイジーキャッツ「ホンダラ行進曲」
湯浅さんが63年生きてきて自分にとってのテーマソングだそうです。「一つ山越しゃホンダラダホイホイ」という歌詞。「越しても越してもキリがないから越さなくていいや」という内容。「だからやらない」と歌っているが「でもやるんだよ」という曲だそうです。世の中っていうのはやってもやってもキリがないから生きているんだと説いている曲。湯浅さんはこの曲を5歳の時から聴いてきて、いまだにこれを超える哲学的歌に出会ったことはないそうです。あるのは「スーダラ節」の「分かっちゃいるけど止められない」ということ。この二つが湯浅さんのテーマだそうです。分かっちゃいるけどやめられないんだけど、やめろと言われてもやっぱりやめない。
来週はいつも通りの放送で、テーマは「日の出日の入りの音楽」だそうです。
私はこの番組を聴き始めたのは2012年からですが、まだまだ聴きたいので末長くお願いします。番組HPから感謝のコメントも書かせて頂きました。