ラジオと音楽

ラジオから知った音楽のこと書いていきます

ワールドロックナウ 2020年7月19日(ポール・ウェラー、デヴィッド・ボウイ)

 

新譜紹介

 

Paul Weller『On Suset』

7月5日の海外情報で紹介されたポール・ウェラーの新作。エモーショナルでソウルフルな作品。

渋谷さんは「彼自身のルーツであるR&Bソウルミュージックを出して、我々が一番好きな彼のメロディー、サウンドを実現している」という評。

On Sunset

On Sunset

  • アーティスト:Paul Weller
  • 発売日: 2020/07/03
  • メディア: CD
 

 

Baptiste

バプテスト教会のこと。

(訳詞)

昔、神に祈ったりなどはしなかった

教会に通ったことなどしなかった

だが、あのサウンドが聞こえてくると、この胸に響くんだ

魂に滲み入る

ああよく分からないけれども、この魂に滲みるんだ

俺に神がいるとしたら、星空の向こうにいるんだろう

だが、あのサウンドが鳴ると、ああ俺は強くなれる

リアルな感覚

自分で選べるものじゃない

強力なメロディ

天使の声

そして自分自身と出会う

自分自身を見つけ出すんだ

真実に圧倒されながら

 

On Sunset

アルバム・タイトル・ナンバー。「陽が沈む」とハリウッドにある「サンセット大通り」をかけています。ポール・ウェラーにとって「サンセット大通り」にはウィスキー・ア・ゴーゴーやレインボーといった小さな会場でプレイした思い出がありますが、昨年LAに住んでいる息子を訪ねたらすっかり景色が変わってしまって、40年間があっという間に過ぎ去った感慨を書いた曲だそうです。

(訳詞)

挨拶しに行こうとしたんだ

でも、そこには誰もいなかった

忘れていたよ

あれからどの位経ったのか

穏やかな風が吹き、揺れる椰子の木

太陽が空高く照っていた

サンセット大通り

俺の知っていた世界はすっかり過去のものになってしまった

仲間との行きつけだった場所は何処にも

今や昔の思い出

別の誰かの人生のもの

別の時代のもの

別れを惜しんだりはしない

認めて貰わなくても構わない

ウィスキー・ア・ゴーゴーで一杯やって、ザ・レインボーにハシゴした

ごきげんよう」と語りかけ、揺れる椰子の木

太陽が空高く照っていた

サンセット大通り

俺の知ってた世界はすっかり様変わりしてしまった

仲間との行きつけだった場所はどこも今や昔

別の誰かの人生

別の時代のもの

 

Earth Beat

このアルバムは、ノスタルジーとか後ろ向きな気持ちで作ったわけではなく、現在の思い、今の時代と向き合って作ったと本人は語っているそうです。

(訳詞)

彼女は新たな一日

新しい朝

新たな一日に世界は変わっていく

この先起こる良いことの今はまだほんの始まり

あの胸の鼓動が時を時代を超えて伝わる

古い話はもう忘れよう

僕しか知らない君の見つけ方

君の胸の鼓動が僕の鼓動と重なり合って

鳴き鳥よ、お眠り

ああ勢いは止められない



 

 

海外情報(ロンドン情報)

 

今年で50周年記念を迎える予定だった「グラストンベリー・フェスティバル(Glastonbury Festival)」ですが、中止となったため、BBCが特別番組を組んで4日間連続で過去50年間の名演をオンエアしました。

その中で一番ファンへの影響が大きかったのが2000年のデヴィッド・ボウイで、初めてのフルセット・オンエアだったそうです。ボウイの再評価ブームが起きているそうです。ヒット・シングルてんこ盛りのセットリストです。ボウイが自分の伝説を取り戻した日として評価されているそうです。

 

David Bowie『Glastonbury 2000』

グラストンベリー 2000【2CD+DVD】

グラストンベリー 2000【2CD+DVD】

 

 

Let's Dance

児島さん一押し。ハイライト。このアレンジがシングルより好きだそうです。

 

  

ジャズ・トゥナイト 2020年7月18日(オーネット・コールマン)

 

シリーズJAZZジャイアンツ(16)オーネット・コールマン

 

今回はフリージャズの大巨匠オーネット・コールマンの特集。

オーネット・コールマンは、1930年3月9日生まれ。テキサス州コートワーズ出身。2015年6月11日85歳で亡くなりました。4人兄弟の末っ子で7歳の時に父親を亡くして以降は経済的に非常に苦労が多かったですが、中学校の時にサックスに興味を持ち、お母さんを説得してアルトサックスを手に入れて独学で習得。地元の高校には、チャールズ・モフェット、デューイ・レッドマンキング・カーティスがいたそうです。その後は、テナーサックスを手に入れてビバップを勉強したり、地元のバンドに入ってツアーをしたりしていたそうです。この辺りの音源は残念ながら残されていないそうです。

 

Ornette Coleman「Lonely Woman」

オーネット・コールマンの3枚目のアルバム『The Shape Of Jazz To Come(邦題:ジャズ来るべきもの)』。世界に衝撃を与えました。トランペット:ドン・チェリー、ベース:チャーリー・ヘイデン、ドラムス:ビリー・ヒギンス。

この曲は、オーネット・コールマンがデパートの在庫係をしていた時に目にした寂しそうな白人女性の肖像画にインスパイアされて書いた曲と言われています。1959年5月の録音。

The Shape Of Jazz To Come

The Shape Of Jazz To Come

  • 発売日: 2009/08/11
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

 

 

オーネット・コールマンが亡くなった後の2015年7月11日に前DJの児山紀芳さんが追悼特集をしてくれました。その時に児山さんがオーネット・コールマンにインタビューした内容が紹介されましたのでここに記させて頂きます。

 

1974年オーネットのニューヨーク・ダウンタウンのロフトを児山さんが訪ねた時のコメント。「あなたは1959年にニューヨークのジャズ界に登場して、ジャズに新しい概念をもたらすと共に、その後のジャズに大きな影響を与えました。自分自身では何を達成したと考えていますか?」

これまでを振り返って、私が何をやったかということに思いを馳せると、私は才能を持つ人が白人であれ、黒人であれ、人間でありたいという主張ができる芸術を見つけ、それが何かを人々に知らせたことではないかと思う。

私にとってジャズとは、一人の人間として私が自由であり、正直であり、自然であるための最も根源的な意思表示の方法だ。誰かに何か新しいことをやって、評価してもらおうというような、そんなものではない。創造の喜びを皆んなと分かち合うことなのだ。

 児山さんはこのオーネットの言葉に大いに感動されたそうです。

 

 

また児山さんはオーネットに「1962年12月から1965年初めまで活動を休止した理由は何だ?」と聞いたことがあるそうです。

分かりやすく言えば、ジャズ・ビジネスの一部の勢力が私の音楽が存在することも演奏することも嫌ったからだ。

とオーネットは語ったそうです。

1972年にシンフォニックな野心的大作『Skies of America(邦題:アメリカの空)』を完成させ録音しようとした時も、ニューヨーク・フィルとの共演は実現できませんでした。オーネットは英国にまで飛んでロンドン交響楽団の協力を得て完成しています。当初、ロンドン交響楽団演奏家たちも共演には懐疑的だったそうです。しかし、3日に及んだ録音が終了した時、オーケストラの全員が総立ちになって拍手で称えたと言われています。

 

Ornete Coleman Quartet with London Symphony Orchestra「The Artist In America」

1972年4月に録音された『アメリカの空』から。1曲となっていますが、アルバムが長い組曲となっているのでその一つと考えた方がいいそうです。

共演が実現できなかったニューヨーク・フィルの人たちとはオーネットのニューヨークのロフトでリハーサルをしていたそうです。イギリスにはオーネットのメンバーの入国は許されず、オーネット一人で入国したそうです。

 

アメリカの空

アメリカの空

 

 

 

 

Ornette Coleman & Prime Time、Jerry Garcia「3 Wishes」

ジェリー・ガルシアと共演しているんですね。驚きです。

1987年10月に録音されたアルバム『Virgin Beauty』より。

Virgin Beauty

Virgin Beauty

  • 発売日: 2011/02/21
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

 

 

Love On Music 2020年7月18日(ラーキン・ポー)

 

Larkin Poe『Self Made Man』

レベッカ・ロヴェル( Rebecca Lovell )とミーガン・ロヴェル( Megan Lovell )の美人女子姉妹バンド、ラーキン・ポーのニューアルバム。レベッカは歌、ギター、マンドリンを担当し、ミーがンは歌、ラップスティール、ドブロを担当しているそうです。かっこいいですなぁ。昨年来日してるんですね。

Self Made Man

Self Made Man

  • アーティスト:Larkin Poe
  • 発売日: 2020/06/12
  • メディア: CD
 

 

She's A Self Made Man