【目次】
#57 ギターが聴きたいJAZZ
今回はギターの演奏が光る楽曲の特集でした。
Grant Green「Joshua Fit De Battle Of Jericho(ジェリコの戦い)」
ギタリスト:グラント・グリーンの演奏。グラント・グリーンは1935年セントルイス生まれ。13歳からプロ活動を開始し、1961年に初リーダー作『Grant's First Stand』を録音。それ以降、リーダーそしてサイドマンとして多数の録音を残しました。この曲は1962年に録音されたアルバム『Feelin' The Spirit』に収録されています。演奏は、グラント・グリーンのギター、ハービー・ハンコックのピアノ、ブッチ・ウォーレンのベース、ビリー・ヒギンスのドラムス、ガーヴィン・マッソーのタンバリン。
John Scofield & Pat Metheny「The Red One」
ジョン・スコフィールドとパット・メセニーが1994年に発表したアルバム『I Can See Your House From Here』より。
ジョン・スコフィールドは、1951年オハイオ州デイトン生まれ。11歳でギターを始め、バークリー音楽大学で学び、1974年にカーネギーホールで行われたジェリー・マリガン、チェット・ベイカーのコンサートでレコーディング・デビューを果たします。1980年代前半はマイルス・デイヴィスのグループで活動したことも知られています。
一方パット・メセニーは、1954年ミズーリ州カンザスシティ生まれ。8歳よりトランペットを演奏し、12歳でギターに転向します。15歳の時既に地元のミュージシャン達と演奏し、1975年に初めてのアルバム『Bright Size Life』を録音。これまでに20回グラミー賞を受賞しています。
この曲はパット・メセニーの作曲。共演は、スティーヴ・スワロウのベース、ビル・スチュワートのドラムス。
Wes Montgomery「Four On Six」
ウェス・モンゴメリーの代表曲。ウェス・モンゴメリーは1923年生まれ。19歳の時に独学でギターを始め、兄弟二人モンク、バディと組んで、地元インディアナポリスで演奏活動を始めました。ライオネル・ハンプトンの楽団のツアーに参加し、1950年代後半からモンゴメリー・ブラザーズとして、そしてリーダーとしてもアルバムを録音。親指によるピッキング、オクターブ奏法など独創的なプレイでジャズギターに革命をもたらし、後進のギタリストに大きな影響を与えました。
1960年録音のアルバム『The Incredible Jazz Guitar of Wes Montgomery』収録。演奏メンバーは、ウェス・モンゴメリーのギター、トミー・フラナガンのピアノ、パーシー・ヒースのベース、アルバート・ヒースのドラムス。
Kurt Rosenwinkel「Brooklyn Sometimes」
現代ジャズギターの皇帝とも呼ばれるカート・ローゼンウィンケル。カート・ローゼンウィンケルは1970年フィラデルフィア生まれ、バークリー音楽大学に進学するも、ヴィブラフォン奏者:ゲイリー・バートンとのツアーに参加するため中退。ポール・モチアンのエレクトリック・バンド:ブライアン・ブレイド・フェロウシップなどに参加し、1990年代後半からはリーダーとしての作品も発表しています。エリック・クラプトン主催のギター・フェスティバルなどにも出演し、幅広い活動をしています。
カート・ローゼンウィンケルが2005年に発表したアルバム『Deep Song』より。演奏メンバーは、カート・ローゼンウィンケルのギター、ブラッド・メルドーのピアノ、ラリー・グレナディアのベース、アリ・ジャクソンのドラムス。
Ben Monder「Never Let Me Go」
30年以上に渡りニューヨークのジャズシーンで活躍し続けるギタリスト:ベン・モンダーの曲。ベン・モンダーは1962年ニューヨーク生まれ。マイアミ大学で学んでからニューヨークへ戻り、オルガン奏者:ジャック・マクダフ、ドラマー:ポール・モチアン、サクソフォン奏者:リー・コニッツなどと共演を重ねます。デヴィッド・ボウイの遺作『Blackstar』への参加や、マリア・シュナイダー・オーケストラのギタリストとしても知られています。アルバム『Day After Day』より。
Lionel Loueke「Cantaloupe Island」
西アフリカのベナン出身のリオーネル・ルエケ。1973年生まれで17歳でギターを始め、コートジボワールの国立芸術文化学院で学んだ後フランスへ渡ります。パリでジャズを学び、その後バークリー音楽大学に留学。オーディションを受けて学んだ「セロニアス・モンク・インスティテュート・オブ・ジャズ」でハービー・ハンコックに見出されました。今でもハービー・ハンコックのバンドでの共演が多く見られます。
リオーネル・ルエケがハービー・ハンコックの楽曲をカバーしたアルバム『HH』より。