シリーズJAZZジャイアンツ(47) キース・ジャレット
今年度も続くシリーズJAZZジャイアンツ。今回はリビング・レジェンド、ピアニストのキース・ジャレットでした。
キース・ジャレットは1945年5月8日ペンシルベニア州アレンタウンの生まれです。2020年に2度の脳卒中に見舞われ、現在は公演活動をしておりません。復帰できる可能性が低いと本人は明らかにしています。
幼少期から音楽家としての才能を発揮し、3歳で始めたクラシックピアノも7歳の時には既にリサイタルを開くほどの腕前になっていたそうです。次第に興味はクラシック以外の音楽にも広がり、ジャズピアノではデイヴ・ブルーベックなどをきっかけに様々な音楽を吸収していきます。高校卒業後から街に出て演奏するようになり、ピアノ以外にもマリンバ、ドラムなど様々な楽器を演奏していました。1963年にはバークリー音楽院に入学するも1年で中退してしまいます。そして、ニューヨークへ進出。ヴィレッジ・ヴァンガードでのジャムセッションにやっとの思いで参加できた時に、たまたま聴きに来ていたアート・ブレイキーの目に留まり、新しいジャズ・メッセンジャーズに誘われ、プロとして本格的に活動を開始します。
Keith Jarrett「Long Time Gone (But Not Withdrawn)」
1967年5月に初リーダー作『Life Between Exit Signs』を出します。メンバーにチャーリー・ヘイデンのベース、ポール・モチアンのドラムスを迎えたトリオ編成。
Keith Jarrett「Sioux City Sue New」
1968年3月録音の2枚目のアルバム『Restoration Ruin』より。このアルバムは全曲、キース・ジャレットのオリジナルで、歌を歌っています。しかも、楽器はピアノではなくギターが主。ハーモニカ、ソプラノサックス、リコーダー、ベース、ドラムス、パーカッションなどなどを演奏してオーバダブしています。
大友さんは「今、ラジオをつけた人は、ピーター・バラカンさんかゴンチチさんの番組と思ったかもしれませんね」と曲をかけた後、仰ってました。
Keith Jarrett「My Back Pages」
3枚目のアルバム、ライブ盤『Somewhere Before』からボブ・ディランの曲。メンバーは1枚目と同じ、ャーリー・ヘイデンのベース、ポール・モチアンのドラムス。1968年10月の録音。
Miles Davis「What I Say」
1970年マイルス・デイヴィスのバンドに加入します。1970年12月16日から19日にかけて、ワシントンD.C.のクラブ「セラー・ドア」で録音された6枚組のライブアルバム『The Cellar Door Sessions 1970』から初日12月16日の演奏。
マイルス・デイヴィスのトランペット、ゲイリー・バーツのソプラノサックス、キース・ジャレットのエレクトロニックピアノ&オルガン(大友さんはシンセサイザーも弾いてるかもと仰ってました)、マイケル・ヘンダーソンのエレクトロニックベース、ジャック・ディジョネットのドラムス。
Keith Jarrett「Koln, January 24, 1975, Part I」
新生レーベルECMから様々な音源を発表します。1975年1月24日ドイツのケルンで行われたピアノソロのライブで全編即興演奏。当時は2枚組LPで発売され、この曲は1枚目のA面全て25分半。
Keith Jarrett「De Drums」
1970年代、ソロと並んでカルテットの活動も活発でした。インパルスというレーベルを中心に活動していたアメリカン・カルテットの曲。1973年2月ニューヨークのヴィレッジ・ヴァンガードでのライブを収めたアルバム『Fort Yawuh』より。
キース・ジャレットのピアノ&パーカッション、デューイ・レッドマンのテナーサックス&パーカッション、チャーリー・ヘイデンのベース、ポール・モチアンのドラムス、ダニー・ジョンソンのパーカッション。
※この曲はSpotifyにはありませんでした。
Keith Jarrett, Jan Garbarek, Palle Danielsson, Jon Christensen「Long As You Know Your Living Yours」
ECMというレーベルを中心に活動してたヨーロピアン・カルテットの最初の録音。1974年4月ノルウェーのオスロのスタジオで録音されたアルバム『Belonging』より。
キース・ジャレットのピアノ、ヤン・ガルバレクのテナーサックス、パレ・ダニエルソンのベース、ヨン・クリステンセンのドラムス。
Keith Jarret, Gary Peacock, Jack Dejohnette「Autumn Leaves 」
1980年代の活動で一番有名な「スタンダーズ・トリオ」。キース・ジャレットが、ゲイリー・ピーコックのベース、ジャック・ディジョネットのドラムスのピアノトリオでスタンダードを演奏する1983年にスタートしたプロジェクト。1986年7月ドイツのミュンヘンで行われたライブを収めたアルバム『Still Live』より。
1996年、コンサートの途中演奏することが出来なくなり、慢性疲労症候群と診断され、それ以降演奏活動を全てキャンセルし、1998年まで自宅での療養を余儀なくされます。
そのまま、ソロを中心に活動を続けますが、2017年2月15日にニューヨークのカーネギー・ホールで行われたソロコンサートを最後に、2018年脳卒中を2回発症して、半身麻痺状態となって現在に至るまで活動を休止していますが、、つい最近インタビューがYouTubeにあがっています。感動です。
Keith Jarret「Somewhere Over The Rainbow」
2016年7月ソロのライブ作『Munich 2016』より。