シリーズJAZZジャイアンツ44 モダン・ジャズ・カルテット
今回は「モダン・ジャズ・カルテット」略して「MJQ」の特集でした。
MJQの前身は1951年ディジー・ガレスピー楽団のリズムセクションだったピアニストのジョン・ルイス、ベーシストのレイ・ブラウン、ドラマーのケニー・クラーク、ヴァイブラフォンのミルト・ジャクソンがミルト・ジャクソン・カルテットの名義で集まったのがきっかけ。このカルテットがジョン・ルイスをリーダーにしたモダン・ジャズ・カルテットになっていきます。初録音は1952年なので70周年になります。
The Modern Jazz Quartet「All The Things You Are」
1952年4月ルー・ドナルドソンのリーダー・セッションのために、ミルト・ジャクソンのヴァイブラフォン、ジョン・ルイスのピアノ、パーシー・ヒースのベース、ケニー・クラークのドラムスというMJQのオリジナルのラインナップが揃って、この年の12月にMJQとしての初録音を行いました。
The Modern Jazz Quartet「Django」
このカルテットの人気を決定づけたアルバム『Django』より。ジョン・ルイスが打ち出すブルースのフィーリングがベースにありながら、クラシックの影響を強く感じさせる室内楽的世界観がここで確立されていったそうです。1953年6月から55年1月にかけて行われた3回のセッションが収められています。この曲は1954年12月23日に録音されたタイトル曲。ジョン・ルイスががギタリストのジャンゴ・ラインハルトの死をきっかけに作った作品。メンバーは、ミルト・ジャクソンのヴァイブラフォン、ジョン・ルイスのピアノ、パーシー・ヒースのベース、ケニー・クラークのドラムス。
The Modern Jazz Quartet「Concorde」
1955年7月に録音されたアルバム『Concorde』より、ジョン・ルイス作曲のタイトル曲。この時からドラムスはコニー・ケイに代わっています。
ピアノのジョン・ルイスは、1920年5月3日イリノイ州生まれで、ニューメキシコ州育ち。兵役中にドラムのケニー・クラークと出会い、兵役後ニューヨークに進出して2001年3月29日に亡くなるまで現役で活動し、教育者としても彼の教育システムの中で育ったミュージシャンが数多くいるそうです。ケニー・クラークはビバップのドラムの開祖とも言えるような人なので、そういう中でジョン・ルイスもニューヨークに出てきて、初期のビバップから様々な演奏に関わっています。
ヴァイブラフォンのミルト・ジャクソンは昨年の5月28日にJAZZジャイアンツでも取り上げられましたが、存命であれば今年の1月1日で生誕100年。出身地のデトロイトで活動していた時にディジー・ガレスピーの目に留まり、ニューヨークに進出。ビバップの最初期の頃から大活躍していたヴァイブラフォン奏者。1999年10月9日に亡くなっています。
ベースのパーシー・ヒースは、1923年4月30日ノースカロライナ州生まれ、ペンシルベニア州フィラデルフィア育ち。サックスのジミー・ヒースとドラマーのアルバート・ヒースとは兄弟です。2005年4月28日に亡くなっています。
ドラムスのコニー・ケイは1927年4月27日ニューヨークのタッカホー出身でレスター・ヤングのバンドなどで活動していました。1994年11月30日に亡くなっています。
最初のドラムスのケニー・クラークは、ジョン・ルイスがディレクションするMJQと合わなかったと言われているそうです。バンドを辞めた後は、ヨーロッパで活動していたそうです。
The Modern Jazz Quartet「Bluesology」
1956年プレスティッジからアトランティックに移籍して作ったアルバム『Fontessa』からミルト・ジャクソンのオリジナル曲。大友さんはジャズ喫茶でこのアルバムを良く聴いたそうです。