ラジオと音楽

ラジオから知った音楽のこと書いていきます

ジャズ・トゥナイト 2022年3月26日(ルイ・アームストロング、渡辺貞夫、チック・コリア & 小曽根真、 大西順子、シオ・クローカー、海野雅威、デニース・アドゥ)

 

年度末総集編

今回は年度末なのでこの1年を振り返って番組で紹介してきたニューディスクやミュージシャン、大友さんが気になったトピックなど、ジャズ・トゥナイトから見た2021年をトークと音楽で総括していく特集でした。

 

Louis Armstrong「What A Wonderful World」

今年度はルイ・アームストロングの生誕120年、没後50年でした。

1971年7月に亡くなる直前1970年5月に録音したアルバム『Louis Armstrong and His Friend』からサッチモのメッセージが入った「What A Wonderful World」。

 

サッチモが語っていることは

若い連中にね、

「爺さんどこがワンダフル・ワールドなんだ?」

って言われるんだよ。

「世界中で戦争は起こってるし、人々は飢えてるし、地球は汚染されてるし、とてもワンダフルとは言えないじゃないか」

って質問されるんだ。

 

サッチモは答えます

ちょっと待ってくれよ。

世界が悪いんじゃなくて、私たちが世界にしていることが悪いんだ。

諦めないで努力すれば世界はもっと素敵になる。

愛だよ。

 

 

 

渡辺貞夫「Echo」

音楽生活70周年を迎えられた渡辺貞夫さんも特集されました。その時に貞夫さんからもらったメッセージで「大友くん」と呼ばれたのが嬉しくてしょうがないとのこと。思わず笑みが溢れました。とってもいいお話です。

渡辺貞夫さんが昨年リリースしたサントリー・ホールでのコンサートを収めたアルバム『Jazz & Bossa』より、渡辺貞夫さんのオリジナル曲。

 

 

 

Chick Corea & 小曽根真「A Spanish Song」

昨年2月9日チック・コリアが79歳で亡くなりました。

8月にリリースされたピアニスト:小曽根真さんとチック・コリアのデュオアルバム『Resonance』からチック・コリアの代表曲の一つ。2016年に行われた日本ツアーの演奏。

Spanish Song

Spanish Song

 

 

大西順子「Printmakers」

大友さんが今年度出会った新作の中で強烈に印象に残っているアルバムだそうです。大西順子さんの『Grand Voyage』からジェリ・アレンの曲。

 

Grand Voyage

Grand Voyage

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Theo Croker「Anthem」

リリースの段階で紹介できなかったそうです。アメリカのトランペット奏者シオ・クローカーの最新作『BLK2LIFE || A FUTURE PAST』。2020年に前のアルバムでグラミー賞を受賞した後、フロリダにある実家で過ごしていたところでパンデミックになり、そのまま自分の内面を見つめるような形で制作したアルバムだそうです。10代の頃の恩師となりますサックス奏者のゲイリー・バーツをフィチャーした曲。

BLK2LIFE || A FUTURE PAST

BLK2LIFE || A FUTURE PAST

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ゲスト:海野雅威

ゲストにジャズピアニストの海野雅威さんがいらっしゃいました。

1980年東京生まれ。4歳からピアノを始めて9歳からジャズピアノを演奏していたそうです。両親が色んな音楽のコンサートに連れて行ってくれたそうで、9歳の時にオスカー・ピーターソンアート・ブレイキーを観ているそうです。アート・ブレイキーは子供好きで客席にいる海野さんに向かってきて頭を撫ででくれたそうです。その時の感動からジャズピアノをやりたいと両親に言って始めたそうです。

東京芸大在学中の18歳からジャズミュージシャンとして活動を開始して、2008年からニューヨークに拠点を移されたそうです。

2020年9月27日ニューヨークの地下鉄通路で中国人と思われて8人組の若者に襲われ、右肩を複雑骨折。ピアノを弾けるようになるのかという程の怪我だったそうです。プレートを抜く2回目の手術を1月にして、まだ治療、リハビリが続きている状態だそうです。

歩いていていきなり「チャイニーズ」と言われて襲われて、誰も信用できなくなる状況(分断の闇)。ところが間髪入れずに(光の方)温かい声も感じ、この世界も捨てたもんじゃない、人はまだ信じられると思われたそうです。

 

 

海野雅威『Get My Mojo Back』

海野雅威の復帰後最新アルバム。

この事件は不運ではあったが、不幸ではなかったのは苦しみとかを音で表現できるので、力に変えることができる。全くピアノが弾けない状況で、療養中に音楽のことを考えている自分に改めて気付いたそうです。ミュージシャンだからいつも音楽のことを考えてはいるが、ピアノを使わないで音楽のことを考えなければいけない時間が長かったので、その時新しいモチーフ、アイディア、何かないかなと、ピアノを使わずにハミングとかでレコーダーに吹き込んで出来た10曲だそうです。

レコーディング中は腕が凄く痛くて、でも音にはそれが出ていなくて、それが「Mojo(不思議な生かされている力)」と海野さんは解釈しているそうです。「Get My Mojo」は海野さんは不思議な力を取り戻して元気になりたいという気持ちを込めたタイトルだそうです。

 

 

Get My Mojo Back

ダントン・ボーラーのベース、ジェローム・ジェニングスのドラムス、クリフトン・アンダーソンのトロンボーン、エディ・アレンのトランペット、アンソニー・ウェアのアルトサックス、ヴィクター・シー・ユーエンのパーカッションという7人編成。

 

 

Circle

トロンボーンのクリフトン・アンダーソンが一緒にプロデュースしているそうです。クリフトン・アンダーソンはプロデューサーとして全体をまとめる力が凄くて、ソニー・ロリンズの作品も何枚もプロデュースしているそうです。

ミキシングをしている時にソニー・ロリンズから電話があって、電話越しにこの曲を聴いてくれたそうです。ソニー・ロリンズは、海野さんの状況も知っていて心配もしていたそうで、「絶対彼はこの経験を力に変えて戻ってこれると信じてた」と言ってくれたそうです。「音楽が生き生きしてる」とも言ってくれたそうです。

Circle

Circle

  • 海野雅威
  • ジャズ
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  • provided courtesy of iTunes

 

 

情勢が分断社会で戦争が起こり、悲しいニュースに溢れています。

ミュージシャンに出来る役割はちっぽけな存在だと思うのですが、この世界から音楽が全く消えたら、もっと悪い世界になるのではといつも想像します。

ミュージシャンの役割はあって、使命があって、素晴らしい音楽があるから、今この世界はかろうじて回っている。そういう気もします。

小さい力しかミュージシャンはないかもしれないけれど、一人一人がいい音楽を聴いて(ミュージシャンはいい音楽をクリエートしていく)、聴いてくださった方が気づきとか、人に対する愛とか、あらためて振り返って思いやりを持つというのが音楽の不思議な力、神様からのギフトだと思います。

実際僕は、ロイ・ハーグローヴのバンドにいて、彼はそういう精神でやっていたし、自分がそういう使命を持って、自分はただの箱だと。ソニー・ロリンズも似たようなこと言っています。操り人形のように「これを人々に伝えなさい」という使命感を持って演奏している。本場の人とやると非常に感じます。

僕自身もそういうことに感化されて、自分のできる使命がそれぞれあると思ういます。僕は特に事件を受けて、人々に憎しみの連鎖ではなく、音楽で愛でそれを示していくという新たな使命を受けたと思っています。色んな人にそういう思いを持ってもらえるように、いい音楽を作って行ったり、人と人が繋がるような。

自分自身がそうやって繋がってきたのが、音楽のおかげなので、「音楽って素晴らしい」ってことが伝わるようなことに関わっていけたらなと思っています。

 

 

Birdbath

トランペットのエディ・アレンをフィーチャーした曲。

Birdbath

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  • 海野雅威
  • ジャズ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

 

ウクライナの曲

 

ウクライナで活動しているトランペット奏者のデニース・アドゥ。アフリカのガーナ生まれで2歳の時にウクライナ中部の最大の都市クルィヴィーイ・リーフに移住し、7歳でトランペットを始めて直ぐに才能を開花させたそうで、クインテットからビッグバンドまで様々な編成を率いてウクライナキエフのジャズシーンの中心で活躍していました。今は、ウクライナ西部で無事に過ごしているそうです。

 

Dennis Adu「Sunlight Above the Sky」

アルバム『Sunlight Above the Sky』からデニース・アドゥのフリューゲルホルンが聴けるタイトル曲。