ラジオと音楽

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ジャズ・トゥナイト 2021年12月18日(渡辺貞夫)

 

シリーズJAZZジャイアンツ(31)渡辺貞夫

 

今年2月に88歳となり、音楽生活70周年を迎えられた渡辺貞夫さんの特集でした。

渡辺貞夫さんは1933年栃木県宇都宮でお父さんは薩摩琵琶奏者という音楽家の家庭に生まれました。電気屋さんもやっていたようです。戦後、アメリカの映画が日本でも上映されるようになり、映画「ブルースの誕生」を見た貞夫少年は映画の中で少年がクラリネットを吹くシーンに魅せられて、お父さんにクラリネットが欲しいとお願いして手に入れたそうです。それが15〜6歳の頃。その後、アルトサックスを購入。高校卒業後の1951年に上京。つまり70年前。ここからが貞夫さんの音楽のキャリアのスタートとなります。

番組では渡辺貞夫さんの長いキャリアの中から様々な楽曲がかかりましたが、ここでは配信で見つけられた比較的新しめの楽曲を掲載させて頂きました。

 

 

渡辺貞夫「California Shower」

貞夫さんは1970年代モントルー・ジャズ・フェスティバルを始めとして世界各地のフェスティバルに出演し、世界的にその名を知られるようになります。70年代に世界的なフュージョンブームが起こり、貞夫さんは、デイヴ・グルーシンリー・リトナーチャック・レイニーらを迎えて1977年アルバム『My Dear Life』を録音、翌78年にはデイヴ・グルーシン・ファミリーを総動員して、LAで『California Shower』というアルバムを録音します。これが大ヒットします。当時のジャズとしては考えられないくらいのセールスを記録し、日本におけるフュージョン・ブームを巻き起こすことになります。

 

 

渡辺貞夫「Yardbird Suite」

一方で貞夫さんは、チャーリー・パーカーなどのビバップも演り続けており、1976年には『I'm Old Fashioned』というグレイト・ジャズ・トリオと演ったアルバムを出し、1977年録音のアルバム『Bird Of Paradise』でもグレイト・ジャズ・トリオのピアノ:ハンク・ジョーンズ、ベース:ロン・カーター、ドラムス:トニー・ウイリアムスという最高のリズムセクションチャーリー・パーカーの曲を演奏しています。

 

 

渡辺貞夫「My Dear Life」

2001年音楽生活50周年を迎えて、世界各地から色んなミュージシャンが集まってアルバム『マイ・ディア・ライフ~音楽生活50周年記念ベスト』を作りました。その中から「My Dear Life」のスペシャル・バージョンがかかりました。配信では見つからなかったので、原曲を掲載させて頂きました。

 

 

渡辺貞夫「Carinhoso」

2015年には長年音楽的交流を重ねてきたブラジルのチェリストジャキス・モレレンバウムと共同プロデュースでアルバム『NATURALLY』をリオデジャネイロで録音します。ブラジルのショーロの代表曲。昨年7月のステイホーム中に公開された演奏画像がありましたので掲載しました。

 

 

渡辺貞夫「Laura」

貞夫さんが音楽生活70周年を記念してリリースしたばかりのアルバム『Jazz & Bossa Live at Suntory Hall』より。

アルトサックス:渡辺貞夫、ピアノ:林正樹、ベース:コモブチキイチロウ、ドラムス:竹村一哲、ギター:マルセロ木村、ストリングス:押鐘貴之。