新譜紹介
black midi『Cavalcade』
サウス・ロンドンを代表するバンドの一つ、ブラック・ミディの2ndアルバム。音だけでなく視覚的なもの含めトータルで新しい価値観を示していこうというバンド。
Slow
Marlene Dietrich
Chondromalacia Patella
Mustafa『When Smoke Rises』
ムスタファのデビュー・アルバム。ムスタファはスーダン移民でアフリカ系イスラム教徒。カナダ最大の都市トロントのリージェント・パーク地区にある低所得者用の公営住宅で育ちました。デビューアルバムですが、音楽シーン的にはザ・ウィークエンドやカミラ・カベロという超大物アーティストへのソングライターとして名前が知られています。このアルバムは、ジェイムス・ブレイクが何曲かプロデュースして、ドレイクが援助しています。
彼自身の表現者としての立ち位置はスポットライトを浴びた場所とは違う、トロントの低所得者の集まる公営住宅の中で荒涼とした少年時代を過ごし、そこで自己形成をしていった彼の精神的背景が作品の中に反映されています。
アルバム・ジャケットには本人よりも大きく、死んでしまった友人の写真が使われています。彼の周りには死が溢れていて、それに向き合いながら彼は自己形成して行きました。
ムスタファの周りには彼の過ごした環境の中で死んでいってしまった友人達が沢山いて、彼らについて「せめて僕と一緒に生きていてくれたら」という切実な思いを込めたアルバムの1曲目。ジェイムス・ブレイクがプロデュースしたナンバー。
(訳詞)
ハイになる液体の入ったボトル
お前のジーンズにしまった拳銃
そして、俺の心にある僅かな信仰心
空を行く一機の飛行機
この果てしない街並みを照らす唯一の星明り
これだけのカメラと警官に囲まれて
俺たちはスターになれたかもしれない
画面に映るニュース映像
母親は見るだろう
ここにいるどんな種類の人間も
この街角のあらゆる標識も
何一つお前や俺のものにならない
それでも、お前について行こう
とにかく、生きていてくれ
生きていてくれ
ここにある数々の旗
お前の背中に流れる汗
できる限りのことは全てやっているんだろ?
その手に抱える誇り
その身に背負う代償
お前では勝利をもたらすことはできない
ボトルを下に置いて、その悲しみを話してくれ
家族よ、お前達ことを思っている
ここにいるどんな種類の人間も
この街角のあらゆる標識も
何一つ、お前や俺のものにはならない
それでも、お前について行こう
とにかく、生きていてくれ
生きていてくれ
生きていてくれ
The Hearse
「霊柩車」という意味のタイトル。
「このような事態に怒りを持って立ち向かわなければいけない。そこには正しいも間違っているもない。」と歌われています。
(訳詞)
揉め事を起こすつもりはなかったと断言できる
家族を養わなくてはいけないのだから
全員が食べていける余裕はある
俺にとって大切なのは平穏だけだった
決して危険を冒したくなかった
どんな脅威があるのか理解している
だが、お前自身が特別な存在になった
人生を投げ出したいと思う
お前のために
全ての銃弾を装填し
生ける屍に立ち向かう
人生の全てをお前に捧げよう
どの道も全速力で
少しも休まずにお前の元に
俺の忍耐と平穏
激情を抱くのは、お前の為だけ
外の世界は戦争になっている
仲間は誰一人失うわけにはいかない
正しいか、間違っているかなんて選べない
正しくても、間違っていても、仲間達と共に
正しくても、間違っていても
What About Heaven
(訳詞)
天国について誰も話をしなかった
最後まで天国の話はしなかった
そのまま去っていく
そこに何の意味があるのだろう?
俺はどれほど嘆くことになるのか?
天国はどんなとこなんだろう?
天国はどんなとこだろう?