映画:「ランブル」
8月2日の「Barakan Beat」でも取り上げられた映画「ランブル」に関する曲が沢山かかりました。ネイティブ・アメリカンのミュージシャン達がポピュラー音楽の歴史にどれだけ貢献したかを描いたドキュメンタリー映画。
Link Wray & His Ray Men「Rumble」
この映画のタイトルとなった曲。1958年にアメリカでヒットしたリンク・レイのインストゥルメンタル。1958年当時こんな歪んだギターは誰も聞いたことがなかったそうで、映画の中でこの曲をラジオから聴いた時どれだけの衝撃を受けたか、ピート・タウンゼント、ウェイン・クレイマー、イギー・ポップが語っているそうです。特にいギー・ポップはこの曲を聴いてミュージシャンになろうと決めたそうです。ピート・タウンゼントは「元祖パワーコード」と言っているそうです。
Johnny Cash「The Ballad Of Ira Hayes」
ジョニー・キャッシュが1964年にリリースした『Bitter Tears』というネイティブ・アメリカンのおかれている状況を歌ったアルバム。コロンビア・レコードという大手に所属していたため、このレコードの発売は歓迎されず、プロモーションもしてもらえなかったそうです。同じコロンビア・レコードに所属していたネイティブ・アメリカンのピーター・ラ・ファージの作った曲です。
アイラ・ヘイズ(Ira Hayes)は実在した人物でアリゾナ州のピマ族。ピマ族の土地はとても綺麗な水に千年も恵まれていましたが、白人が水の権利を奪ってしまったら、その水が流れなくなってしまいました。アイラは第二次世界大戦の時、志願して硫黄島で戦った一人です。アメリカに帰国後最初は祝福されましたが、アリゾナ州の保留地に戻ったあと彼のことを誰も見向きもしない、水もないし。そうこうしているうちに、彼はウィスキーをガブガブ飲むようになって、犯罪に手を染めるようなこともありました。結局「酔っ払いはアイラ・ヘイズ」と呼ばれて、ウィスキーを飲んで死んでしまいました。あまりにも生活が厳しすぎて、アルコール依存症に陥ってしまうネイティブ・アメリカンが多い話は、よく語られるそうです。
Karen Dalton「Something On Your Mind」
映画には出てきませんが、カレン・ダルトンのこの曲がタイトルバックでかかるそうです。1971年発売のアルバム『In My Own Time』より。
来週は7:20から11:50の4時間半「サマースペシャル」となります。
楽しみです。