ラジオと音楽

ラジオから知った音楽のこと書いていきます

ワールドロックナウ 2020年7月26日(ダーティー・プロジェクターズ、ボブ・ディラン、カニエ・ウェスト)

 

新譜紹介

 

Dirty ProjectorsWindows Open』

ダーティー・プロジェクターズがEPを続けざまに発表しています。5枚シリーズで出すそうです。これが最初のEP。

  

Overlord



Dirty Projectors『Flight Tower』

2枚目のEP。これから3枚出るわけですが5枚組に対する渋谷さんの解説です。

2枚ともジャケットは、どこかのギャラリーに行って絵を誰かが一人見ている。

5枚の世界観において、アーティストが自分の曲をプレゼンしていくのに何がベストなのかがすごく考えられている。

例えば「サージェント・ペパーズ」やピンク・フロイドの「原子心母」をイメージするとジャケットが浮かぶ。つまりジャケットが一つの象徴性だった。そういう時代があった。今、ビリー・アイリッシュの「bad guy」というとMVを思い浮かべると思う。

これは10年、20年経っても曲が何かの記号性において記憶されていくというのはポップ・ミュージックの基本的に持っている構造だと思う。それが、アルバムなのかMVなのか、それともEP5枚組なのか。そんなことを色々考えながら音楽的にもリリースの形態的にも色んなことを考えて作っているなぁと。

 

 

Empty Vessel



 

 

Bob Dylan『Rough And Rowdy Ways』

6月28日の海外情報でも紹介されたボブ・ディランの話題の新譜。

Rough and Rowdy.. -Digi-

Rough and Rowdy.. -Digi-

  • アーティスト:Dylan, Bob
  • 発売日: 2020/06/19
  • メディア: CD
 

 

I Contain Multitudes

アルバムの1曲目。自分は色んな多面性があると歌っています。

(訳詞)

今日、そして明日、そして昨日もまた花は枯れていく

あらゆるものと同じように

ピッタリついておいで

私はベルリン映画祭に行くところ

あなたが一緒に来てくれなかったら、私は平静さを無くしてしまうよ

髪型がちゃんとしているかどうか不安だし、それに血の争いもしてしまう

私の中には色んな面があるんだ

私はアンネ・フランクのよう、インディ・ジョーンズのよう

そして、あのイギリスの反逆児、ザ・ローリング・ストーンズ

私はギリギリまで行くんだ

最後まで突き進むんだ

失われたものがまた取り残される場所へと

ウィリアム・ブレイクのように私は敬虔の歌を歌う

私が詫びるようなことは何一つしていない

何もかも全てが同時に流れているんだ

私は犯罪大通りで暮らしている

スピードの出る車に乗って、ファースト・フードを食べる

私には色んな面がいっぱいあるんだ



 

False Prophet(邦題:偽預言者

自分は偽預言者じゃないと明確に歌っています。

(訳詞)

私は反逆の敵、闘争の敵、生きた形跡のない無意味な人生の敵なんだ

私は偽物の預言者なんかじゃない

私は自分が知っていることを知っているだけ

孤独な人間が行けるとこにしか、私は行かない

私は偽物の預言者なんかじゃなんかない

私は自分が言うべきことを言っただけ

私がここにいるのは、誰かの分別とやらに復讐するためだけ



 

Goodbye Jimmy Reed

渋谷さん、海外情報でもこの曲をかけました。ジミー・リードへの愛を歌っています。

ジミー・リードは偉大なブルース・ミュージシャンでボブ・ディランも影響を受け、すごく敬愛していた。その人にグッド・バイと言うのはある意味最高のリスペクトを込めた言葉。例えばすごいボブ・ディランのファンがグッド・バイ・ボブ・ディランという曲を歌う、グッド・バイ・ジョン・レノンという歌を歌う。それを歌うというのは、すごく色んな思いを込めてのグッド・バイだと思う。

(訳詞)

神があなたと共にありますように、親愛なるブラザー

あなたがどんなことを耳にしているのか、聞いてもいいかな?

大したことじゃないよ

私はある男を探しているだけ

彼が居場所を無くして、どこかに横たわっているか、確かめにやって来たんだ

さらば、ジミー・リード

そして、あなたが抱え込んでいたもの全て

バージニアからあなたを呼ぶ私の声が聞こえないかい?



 

 

海外情報(NY情報)

 

Kanye West「Wash Us in the Blood (feat. Travis Scott)」

カニエ・ウェストの新曲。『God’s Country』というアルバムも出来たそうで、シングルが発表されました。MVは警察による暴力の映像がいきなり写し出されて、最近起きた白人地域をジョギングしているだけで元警官に射殺されたという黒人の映像が映し出されています。緊迫感のある映像。

「Wash Us in the Blood」というタイトルも、聖書によると「罪のないキリストが流した血で私たちの罪を流してくれる」という意味があるそうです。歌詞の中で「大虐殺」や「奴隷制度」についても語っているので、恐らくアメリカの大統領や警察への批判も二重の意味で語っているのではないかということです。

ラヴィス・スコットが参加して、ドクター・ドレがリミックスしています。

Wash Us In The Blood

Wash Us In The Blood

  • Getting Out Our Dreams II / Def Jam Recordings
Amazon

 カニエは独立記念日に「大統領に出馬する」と宣言しました。今まで支持していたトランプはコロナの対応が悪すぎるので支持をやめたそうです。バースデイ・パーティという党から出馬すると言っているそうですが、周りからはやめてくれと言われているそうです。それはバイデンのトランンプより有利とされている黒人の若者層の票がいってしまうからだそうです。