ワールドミュージックで逃避行(1)
今週のテーマは「ワールドミュージックで逃避行」。現実が厳しい時、何もかもうまくいかないと思う時、世界の果ての音楽を聴いてひとしきり逃避行しましょうということです。今回もサラーム海上さんのご自宅からの収録だそうです。
Shantel & Cümbüş Cemaat『Istanbul』
東ヨーロッパのロマン音楽を取り上げたクラブミュージック、バルカン・ビートを世界中に広めたドイツ人DJ兼プロデューサーのシャンテルがイスタンブールの民謡パンクバンド:ジュンビュス・ジェマートと共演したニューアルバム。
Suda Balik(水から魚)
先行シングル曲。
Mzungu Kichaa『Huyu Nani』
東アフリカのタンザニアで人気のジャンル、ボンゴフレーバーの人気歌手:ムズング・キチャ。ボンゴフレーバーはヒップポップやレゲエの影響を受けたスワヒリ語のポップスだそうです。ムズング・キチャはデンマーク人ですが、タンザニアで育ち90年代にボンゴフレーバーを作り始めたパイオニアの一人だそうです。ムズング・キチャとはクレイジーな白人という意味だそうです。
Mizuka
Lobi Traore『Rainy Season Blues』
西アフリカのマリ。2010年に49歳という若さで急死してしまったギタリスト:ロビ・トラオレが亡くなる1年前にアコースティック・ギター1本と歌だけでオーバーダブも行わずに一発録音したアルバムから。
Alah Kabon
西アフリカの雨のシーズンのブルース。
追悼:トニー・アレン
4月30日に79歳で亡くなったナイジェリア人ドラマーでアフロビートの創始者トニー・アレン。彼は1940年にナイジェリアのラゴスでナイジェリア人とガーナ人のもとに生まれました。子供の頃からアメリカのジャズを聴き、特にドラマーのアート・ブレイキーやマックス・ローチに影響を受け18歳でドラムを始めました。1964年にフェラ・クティのバンドに参加、1969年にはアメリカツアーに同行し、ナイジェリアの音楽フジにアメリカのファンクを取り入れ、シンプルながら非常にパワフルなリズム「アフロビート」を生み出しました。そして、「フェラ・クティ&アフリカ70」の音楽監督をつとめ20数枚のアルバムを残しました。1979年に彼はフェラ・クティのバンドを脱退しました。彼の抜けた穴を埋めるため、フェラ・クティは4人のドラマーが必要だったと言われています。その後、彼はロンドンを経て、パリに移住し音楽活動を続けました。1990年代以降はアフロビートの創始者として若いミュージシャンとの共演が増え、2007年にはブラーのデーモン・アルバーン達と共に「ザ・グッド,ザ・バッド・アンド・ザ・クイーン」、2012年にはデーモン・アルバーン、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーと「ロケット・ジュース・アンド・ザ・ムーン」を結成して、それぞれアルバムをリリースしました。近年は、アンジェリーク・キジョーやヒュー・マセケラ他アフリカの伝説的なミュージシャンと共演し、独特な揺れるようなリズムを聴かせてくれました。
Tony Allen「The Same Blood」
1999年のダブ色の強いアルバム。
Tony Allen「Home Cooking」
2002年のアルバムからタイトル曲。