新譜紹介
Leonard Cohen「Thanks for the Dance」
2016年に亡くなったレナード・コーエンのニューアルバム。
レナード・コーエンが亡くなる前に自分自身のボーカル・パートだけを録音して、息子に最終的に音楽として完成してくれというメッセージを残しました。そして息子のアダム・コーエンが最終的に一つの音源にまとめました。
Thanks for the Dance
（訳詞）
踊ってくれてありがとう
疲れてしまったようで申し訳ない
まだ夜は始まったばかり
踊ってくれてありがとう
さあ元気を出して
ワン・ツー・スリー、ワン・ツー・スリー、ワン
あなたの髪にはバラの花
両方が大きく開いたその服をあなたはずっと着ていた
さあ音楽の音を上げ、ワインを注ぎ、表面に留まっていよう
表面で結構
これ以上深く入る必要はない
踊ってくれてありがとう
二人は夫婦だと思われているらしい
ワン・ツー・スリー、ワン・ツー・スリー、ワン
踊ってくれてありがとう
ありがとう、身篭ってくれて
もう少しで娘か息子が生まれていたのに
することは何もない
考えること以外
あなたが私と同じくらい絶望しているかどうか
同時に寛大であるかどうか
私たちは繋がっている
心でも、腰のところでも
恐怖に関しても
何らかの協定を結んでいるかのように
素晴らしかった
早かった
私たちは最初で最後だった
快楽の寺院の前で並んでいた時
でも緑は実に緑で
青は実に青だった
私は実に私で
あなたは実にあなただった
そしてその機器は軽かった
羽毛のごとく
踊ってくれてありがとう
苦しかった
素晴らしかった
楽しかった
たくさん踊ってくれてありがとう
ワン・ツー・スリー、ワン・ツー・スリー、ワン
The Goal
（訳詞）
家から出られない
電話にも出られない
私は再び落下している
でも私一人ではない
魂の収支決算がついに完了した
借りはもうない
賃借対照表はゴミ箱へ
落下それはずっと前に始まった
雨は止められない
雪は止められない
私は椅子に座って外を見ている
隣人が挨拶する
私の敗北の微笑みを見て
風に揺れる木の葉と共に私も揺れる
陽を浴びて輝く車のクロームと共に
私も輝く
生きている
殆ど元に戻ったようだ
殆ど
従わなければならぬ人は誰もいない
教えならなければならぬ物は何にもない
ただゴールには、まだほんのわずか届かない
The Hills
（訳詞）
私は山頂まで行けない
世界の気候は壊れている
私が生きているのは薬のおかげ
そのことは神に感謝している
私の獣は吠える
私の天使はうろたえる
でも私は許されていない
弱音を吐くことを
誰かがそのことで付け込むかもしれないから
私の心は図らずも傷つく
彼女は道に一歩を踏み出し
理解する、私の真意を
半分に削られた私の真意
そしてその一瞬の間の自由を
二人の人生は衝突し、ドアは広く開けられた
永遠の宙吊り状態で彼女は生まれてくるのだろう
あなたのような人のところへ
私がやり残してきたこと
彼女が引き継いでくれる
分かっている
彼女が来ると
彼女は理解するだろう
それは欲望であり、罠なのだと
私は山頂まで行けない
世界の気候は壊れている
私が生きているのは薬のおかげ
そのことは神に感謝している
私の頁は白すぎた
インクは薄すぎた
私は書かないだろう
夜が書き始めたことを
分かっている彼女が来ると
彼女は理解するだろう
それは欲望であり、それは罠なのだと
彼女は理解するだろう
それは罠なのだと
私は山頂に行けない
世界の気候は壊れている
私が生きているのは薬のおかげ
そのことは神に感謝している
私は白鳥のように進み
石のように沈んだ
時代は大きく変わった
私が物笑いの種だったのは
遥か昔のこと
私は山頂まで行けない
世界の気候は壊れている
私が生きているのは薬のおかげ
そのことは神に感謝している
制作過程を描いたミニ・ドキュメンタリーが公開されています。
リクエストコーナー
Roxette「The Look」
12/9に亡くなったロクセットのマリー・フレデリクソンさんの追悼リクエスト。
すごく懐かしい。いい曲ですね。
マリーさんは2002年に脳に腫瘍が見つかって手術をして片目の視力を失っても2009年に活動再開。その間もずっとガンと闘われていたということ。
ご冥福をお祈り致します。
来週は恒例の「年末スペシャル」。ゲストに大貫憲章さんと伊藤政則さんが来られて、三大音楽評論家による2019年総括です。17:00から18:50の110分間。楽しみです。
