追悼:ロバート・ハンター(Robert Hunter)
グレイトフル・デッド(Grateful Dead)に多くの名曲を作詞家として作っていたロバート・ハンター(Robert Hunter)が78歳で亡くなりました。今回は追悼特集でした。
グレイトフル・デッドの有名曲をかなり作詞されていることに驚きましたし、グレイトフル・デッドの曲を整理して聴けたのですごく良かったです。
Grateful Dead「Dark Star」
ロバート・ハンターがグレイトフル・デッドと共作した最初の曲だそうです。
ロバート・ハンターとジェリー・ガルシア(Jerry Garcia)が出会ったのは1960年代初頭。ジェリー・ガルシア18歳、ロバート・ハンター19歳の時で、一緒にブルーグラスのデュオを演っていたそうです。
ロバート・ハンターは1962年にスタンフォード大学で行われたLSDの実験に参加していたそうです(LSDの実験って信じられないですが、当時のアメリカでLSDは合法だったそうです)。この実験を仕掛けたのはCIAだそうで、CIAはマインド・コントロールができるドラッグを求めて実験をしていたそうです。そのモルモット役の一人がロバート・ハンターだったということです。
一度LSDをやると二度と世の中の見え方が元に戻らないそうで、その経験からロバート・ハンターは潜在意識がそのまま言葉になる詞を書いているのではないかというバラカンさんの推察です。
ロバート・ハンターはドラッグの問題からサンフランシスコを離れてニューメキシコに行っていたそうですが、その時期にグレイトフル・デッドが活動を始めていて、ニューメキシコからロバート・ハンターが何曲か歌詞をジェリー・ガルシアに送ったそうです。ジェリーがそれを気に入って「もらった歌詞使うから、サンフランシスコに戻ってきて僕らの作詞家になってちょうだいよ」と言ったら、ロバート・ハンターがサンフランシスコに戻ってきたそうです。
Grateful Dead「American Beauty」
グレートフル・デッドの名曲が集中している1970年発売のこのアルバムから3曲紹介されました。
Grateful Dead「Truckin’」
グレイトフル・デッドのツアーの上にツアーが続く生活を書いた曲。
(訳詞)
その人にある時言われたように
持っているカードをちゃんと出していかなければならない
そうしなければ、せっかく持っているカードは10セントの価値すらない
ある時、眩しいほど光が目に入ってくる
ある時は微かにしか見えない
でも最近ちょっと気がつくんだけど
本当に長く不思議な旅だなぁ
Grateful Dead「Ripple」
自然そのものの力を強調したような詞です。人気が高い曲です。
(訳詞)
静かな水の中に波紋が広がっている
誰も小石を投げた形跡もなければ、風も吹いていない
あなたのカップ空っぽだったら、どうぞ手を出してください
そのカップが一杯だったら、また更に一杯になるように
人の手によらない泉があることを知ってください
Grateful Dead「Brokedown Palace」
(訳詞)
この朽ち果てた宮殿を離れて、手と足で転がっていく
水辺で自分のベッドを作って、そして自分が決めた時にまた転がっていく
甘い歌を川が歌うのを聞いて自分の魂を揺らす
Grateful Dead「Uncle John's Band」
「American Beauty」の1枚前のアルバム「Workingman's Dead」に収録されている曲。 見事なハーモニーです。
(訳詞)
一番最初が最も辛くて、でももう心配しなくていい
人生が楽ちんのように見えた時は、実はすぐそこに危険がはらんでいる
Grateful Dead「Jack Straw」
スタジオ録音が存在しない曲で物語風ということです。
犯罪を犯して追われる身になっている男の物語。「Eurepe '72」という1972年ヨーロッパ・ツアーのアルバムに入っています。この曲は、ボブ・ウェア(Bob Weir)とロバート・ハンターの共作だそうです。
Jerry Garcia「Garcia」
ジェリー・ガルシアの最初のソロアルバムから2曲紹介されました。
Jerry Garcia「Deal」
この曲すごく好きです。
(訳詞)
勝つことの代償はかなり高い
負ける時の代償はもっと高い
だから二人で時間をかけてどっちを選ぶか決めなきゃいけない
何がどう転ぶか分からないものだ
持っているカードの一枚一枚ゆっくりと出していきましょう
そしてそのチャンスが巡ってきた時に決してそれを逃しちゃいけない
Jerry Garcia「Bird Song」
亡くなったジャニス・ジョプリンに対するジェリー・ガルシアの追悼の意味を込めた曲。歌詞にはジャニス・ジョプリンのことが分かる内容は一切ないですが、グレイトフル・デッドのファンの中では昔から良く知られたことだそうです。
(訳詞)
彼女はしばらくの間歌って飛んで行った
Bob Dylan「Tempest」
2012年に発売されたボブ・ディランのアルバム。ほぼ全曲ロバート・ハンターが作詞しているそうです。このアルバム好きです。ボブ・ディランのダミ声。確かこの次のアルバムはフランク・シナトラのカバーで歌い方が全然違うんですよね。
Duquesne Whistle
この曲は、Jelly Roll Morton and His Red Hot Peppers「Each Day」という曲にそっくりと紹介がありました。
デュケイン(Duquesne)という地名はアメリカに何箇所かあるそうですが、2011年にミズーリ州のデュケインとジョプリンでトルネードがあって、そのことを歌ったかもしれないということです。