ラジオと音楽

ラジオから知った音楽のこと書いていきます

ウィークエンドサンシャイン 2019年10月26日

 

追悼:ロバート・ハンター(Robert Hunter)

 

 

グレイトフル・デッドGrateful Dead)に多くの名曲を作詞家として作っていたロバート・ハンター(Robert Hunter)が78歳で亡くなりました。今回は追悼特集でした。

グレイトフル・デッドの有名曲をかなり作詞されていることに驚きましたし、グレイトフル・デッドの曲を整理して聴けたのですごく良かったです。

 

  Grateful Dead「Dark Star」

ロバート・ハンターがグレイトフル・デッドと共作した最初の曲だそうです。 

Dark Star (Single Version)

Dark Star (Single Version)

  • provided courtesy of iTunes

 

ロバート・ハンターとジェリー・ガルシア(Jerry Garcia)が出会ったのは1960年代初頭。ジェリー・ガルシア18歳、ロバート・ハンター19歳の時で、一緒にブルーグラスのデュオを演っていたそうです。

ロバート・ハンターは1962年にスタンフォード大学で行われたLSDの実験に参加していたそうです(LSDの実験って信じられないですが、当時のアメリカでLSDは合法だったそうです)。この実験を仕掛けたのはCIAだそうで、CIAはマインド・コントロールができるドラッグを求めて実験をしていたそうです。そのモルモット役の一人がロバート・ハンターだったということです。

一度LSDをやると二度と世の中の見え方が元に戻らないそうで、その経験からロバート・ハンターは潜在意識がそのまま言葉になる詞を書いているのではないかというバラカンさんの推察です。

ロバート・ハンターはドラッグの問題からサンフランシスコを離れてニューメキシコに行っていたそうですが、その時期にグレイトフル・デッドが活動を始めていて、ニューメキシコからロバート・ハンターが何曲か歌詞をジェリー・ガルシアに送ったそうです。ジェリーがそれを気に入って「もらった歌詞使うから、サンフランシスコに戻ってきて僕らの作詞家になってちょうだいよ」と言ったら、ロバート・ハンターがサンフランシスコに戻ってきたそうです。

  

Grateful Dead「American Beauty」

グレートフル・デッドの名曲が集中している1970年発売のこのアルバムから3曲紹介されました。

American Beauty

American Beauty

 

 

Grateful Dead「Truckin’」

グレイトフル・デッドのツアーの上にツアーが続く生活を書いた曲。

(訳詞)

その人にある時言われたように

持っているカードをちゃんと出していかなければならない

そうしなければ、せっかく持っているカードは10セントの価値すらない

ある時、眩しいほど光が目に入ってくる

ある時は微かにしか見えない

でも最近ちょっと気がつくんだけど

本当に長く不思議な旅だなぁ

Truckin'

Truckin'

  • provided courtesy of iTunes

 

Grateful Dead「Ripple」

自然そのものの力を強調したような詞です。人気が高い曲です。

(訳詞)

静かな水の中に波紋が広がっている

誰も小石を投げた形跡もなければ、風も吹いていない

あなたのカップ空っぽだったら、どうぞ手を出してください

そのカップが一杯だったら、また更に一杯になるように

人の手によらない泉があることを知ってください

Ripple

Ripple

  • provided courtesy of iTunes

 

Grateful Dead「Brokedown Palace」

(訳詞)

この朽ち果てた宮殿を離れて、手と足で転がっていく

水辺で自分のベッドを作って、そして自分が決めた時にまた転がっていく

甘い歌を川が歌うのを聞いて自分の魂を揺らす

Brokedown Palace

Brokedown Palace

  • provided courtesy of iTunes

 

 

 Grateful Dead「Uncle John's Band」

「American Beauty」の1枚前のアルバム「Workingman's Dead」に収録されている曲。 見事なハーモニーです。

(訳詞)

一番最初が最も辛くて、でももう心配しなくていい

人生が楽ちんのように見えた時は、実はすぐそこに危険がはらんでいる

Uncle John's Band

Uncle John's Band

  • provided courtesy of iTunes
Workingman's Dead

Workingman's Dead

 

 

 

Grateful Dead「Jack Straw」

 スタジオ録音が存在しない曲で物語風ということです。

犯罪を犯して追われる身になっている男の物語。「Eurepe '72」という1972年ヨーロッパ・ツアーのアルバムに入っています。この曲は、ボブ・ウェア(Bob Weir)とロバート・ハンターの共作だそうです。

Jack Straw

Jack Straw

  • provided courtesy of iTunes
Europe '72

Europe '72

 

 

 

Jerry Garcia「Garcia」

 ジェリー・ガルシアの最初のソロアルバムから2曲紹介されました。

Garcia (Expanded)

Garcia (Expanded)

 

Jerry Garcia「Deal」

 この曲すごく好きです。

(訳詞)

勝つことの代償はかなり高い

負ける時の代償はもっと高い

だから二人で時間をかけてどっちを選ぶか決めなきゃいけない

何がどう転ぶか分からないものだ

持っているカードの一枚一枚ゆっくりと出していきましょう

そしてそのチャンスが巡ってきた時に決してそれを逃しちゃいけない

Deal

Deal

  • provided courtesy of iTunes

 

Jerry Garcia「Bird Song」

 亡くなったジャニス・ジョプリンに対するジェリー・ガルシアの追悼の意味を込めた曲。歌詞にはジャニス・ジョプリンのことが分かる内容は一切ないですが、グレイトフル・デッドのファンの中では昔から良く知られたことだそうです。

(訳詞)

彼女はしばらくの間歌って飛んで行った

Bird Song

Bird Song

  • provided courtesy of iTunes

 

 

Bob Dylan「Tempest」

 2012年に発売されたボブ・ディランのアルバム。ほぼ全曲ロバート・ハンターが作詞しているそうです。このアルバム好きです。ボブ・ディランのダミ声。確かこの次のアルバムはフランク・シナトラのカバーで歌い方が全然違うんですよね。

Tempest

Tempest

 

 

Duquesne Whistle

この曲は、Jelly Roll Morton and His Red Hot Peppers「Each Day」という曲にそっくりと紹介がありました。

デュケイン(Duquesne)という地名はアメリカに何箇所かあるそうですが、2011年にミズーリ州のデュケインとジョプリンでトルネードがあって、そのことを歌ったかもしれないということです。



 

 

萩原健太のotonanoラジオ 2019年10月22日

 

ゲスト:鮎川誠さん

シーナ&ロケッツとしては41周年、鮎川さんとしては1968年からなので51年。すごいです。ギターを弾き続けられて幸せと仰っています。71歳だそうですが、ロック好き少年がそのまま年を取られたような方で、お話聞いていて楽しくなります。

シーナ&ロケッツは四人、シーナは天国行ったけど」というバンド愛。

 

 

シーナ&ロケッツ「キス・ミー・クイック」

「チャンネル・グー」という初期のアルバムに収録されています。このアルバムは細野晴臣さんプロデュースで高橋幸宏さんと坂本龍一さんも参加しています。

 

KISS-ME-QUICK

KISS-ME-QUICK

  • シーナ&ザ・ロケッツ
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
チャンネル・グー(紙ジャケット仕様)

チャンネル・グー(紙ジャケット仕様)

 

 

 

Yellow Magic Orchestra「Day Tripper」 

鮎川さんはYMOのアルバム「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー(Solid State Survivor)」で「Day Tripper」と「Solid State Survivor」の2曲ギターを弾かれています。鮎川さんのバンド体験1曲目が「Day Tripper」だったので喜んで弾かれたそうです。キース・リチャーズの影響で5弦ギター(オープンG)で弾かれているそうです。

 



鮎川さん

この録音をした時はビートルズがリリースしてから十何年も経っていたけど、このレコーディングから40年。学生時代からロックを聴いて、ホワイト・ブルース・ブームが来て、それに夢中になった。その時、ロバート・ジョンソンやチャーリー・パットンやサン・ハウスというような古いブルースまで求めていった。その間隔よりもっと経っているのに今日聴いてこのYMOサウンドは全然いけてる。未来な音を作ったんだなぁ。

 

萩原さん

ビートルズがこの曲を作った時は、彼らがものすごく憧れていたR&Bの感じを取り入れて作った。そのままではなくて彼らの独特のイギリス人ならではの感覚と融合して不思議なビートルズ版の「Day Tripper」が出来上がった。それをまた今度は彼らが憧れていたソウル・ミュージックの黒人のアーティストであるオーティス・レディングが取り上げた。夢のような瞬間だったと思う。

 

Otis Redding「Day Tripper」

 

 

 

鮎川さんは友部正人さん、三宅伸治さんと「3KINGS」というユニットを作られているそうです。三宅伸治さんがステージで友部さんを「フォークの王様」、鮎川さんを「ロックの王様」と紹介したことからこのネーミングになったそうです。

三宅さんは清志郎さんのことも「KING」「ボス」って呼んでましたからね。清志郎さんは「KING」は「Kiyoshiro Imawano NG」の略と言ってましたが。 

王様のノイズ [3KCD-0002]

王様のノイズ [3KCD-0002]

 

 12月13日「yokohama 7th AVENUE」でライブを演られるそうです。

 

松尾潔のメロウな夜 2019月10月21日

 

 メロウな風まかせ

 

Lucky Daye「Painted」

 今年の夏前にリリースされたアルバム。リリースされて半年くらい経ってこそ浮かび上がる曲のチャームがあるそうです。

ラッキー・デイ(Lucky Daye)はニューオリンズ出身。これからのR&Bシーンのキーパーソンになるとみられているそうです。

 

Painted

Painted

  • Lucky Daye
  • R&B/ソウル
  • ¥1600

 

Call

 エッジの効いた現代感覚と素朴な歌声。

 

 

 

今なら間に合うスタンダード(第28回)「Love Ballad 」

 

1976年にL.T.D.というグループが世に送り出した曲。R&B業界の大スタンダード。

 

L.T.D.「Love Ballad」

 

Love to the World

Love to the World

 

 

松尾さんがこの曲を知ったジョージ・ベンソンのカバー。1979年にリリースされた「Livin' Inside Your Love」というアルバムに収録されています。Tommy Lipuma(トミー・リピューマ)のプロデュース作品。トミー・リピューマさんは昨日書いた川添象郎さんと1979年YMOの全米ツアーをプロデュースした方。

 

George Benson 「Love Ballad」

 

 

Livin' Inside Your Love

Livin' Inside Your Love

 

 

 

10月22日と29日の「MISA 星空のラジオ」に松尾さんゲストで出演されるそうです。翌週火曜日の10:00から再放送もあります。