ラジオと音楽

ラジオから知った音楽のこと書いていきます

萩原健太のotonanoラジオ 2019年10月15日

 

ゲスト:佐野元春さん

 

或る秋の日(受注生産限定盤)

或る秋の日(受注生産限定盤)

 

 

佐野元春さんのニューアルバム「或る秋の日」の特集。

このアルバムとてもいいです。聴いてて疲れない、心地よいです。

 

このアルバムはバンド・サウンドよりもご自身のシンガー・ソング・ライターの側面をまとめたアルバムだそうです。

 

佐野さんがソング・ライティングを始めたのが10代半ば。その頃手本にしていたのが、ボブ・ディラントム・ウェイツランディ・ニューマン。特にトム・ウェイツランディ・ニューマンの曲は、1曲1曲に深いストーリー、物語があり、3分間4分間でもこんなに豊かなストーリーが歌えるんだなぁということで感銘を受けたそうです。

どうにかそういう世界観を日本語でできないかという思いが当時からあったそうです。

 

欧米では自分のことを歌うのではなく、ストーリー・テリングと言って、主人公を作ってストーリーを作っているそうです。ディランもトム・ウェイツランディ・ニューマンも一級のストーリー・テラーだそうです。

 

今回の楽曲も主人公を添えて、映画で言うとキャスティングをして、舞台を作って、そこで彼もしくは彼女がどういうことを思ったり、感じたりしたりするのかをまとめているそうです。

 

 永遠の迷宮

ちょっと捻ったコード進行。主にsus4の響きを中心にモード的に展開していく曲ということです。佐野さんは先に詞を作るそうで、詞が持つ情感をより強調したり、寄り添ったりする演奏と編曲とミックスを発想しているそうです。

永遠の迷宮

永遠の迷宮

  • provided courtesy of iTunes

 

萩原さんの感想「佐野さんの音楽をずっと長い間聴いていると、佐野さんの作った言葉として、つまらない大人になりたくないという大きなテーマがあったと思いますが、今回のアルバムは大人になってみたらどうだったんだみたいなところがすごくたくさんある。すごく印象的に語られているのは、子供の時は全てが無敵な感じがしたんだけど、大人になってみると色んなものがどれだけ儚いかみたいなことが分かってきた。というところが貫かれているところがあると思います。」

 

佐野さん「ポップソングというと、大抵傷ついた子供達が主人公なんだけど、傷ついてるのは子供だけじゃないぜ!大人たちも傷ついてるんだよ!ということをポップ・ミュージックで表現したかった。」

 

今回のアルバムは成熟した年代への曲で占めているそうです。だから僕も「いいなぁ」と思ったんですね。ありがとう佐野さん!大切に聴かせてもらいます!

 

人間の感情というのは、とっても複雑な作りをしていて、喜びの裏に悲しみが張り付いていたり、寂しさの裏にまた別の感情が張り付いていたりして、なかなか言葉とかで言い表せないことが多い。でもメロディーやリズムを使うと、そうした人間の複雑な感情が意外と多面的に表現できる。そこを僕は信じている。

詞を評価してくれる人もいるんだけど、僕がやっているのは、言葉とリズムとハーモニーを一体化させるというところに時間を費やしているので、全体の情感で感じてくれたらいいなぁと思います。

 

曲の1番2番3番でフレーズが違ったり、所々メロディー変えたり、コード進行変えたりしているそうです。これは言葉を大切にしているからだそうです。バンドは迷惑がっているそうですが・・

 

いつもの空

主人公は突っ張っているんだか、寂しがっているんだか分からない曲ということです。

歌詞で「台所」と出てくるのも珍しいですが、イメージが抽象的になりすぎないように、聴き手の人たちが映像化できるようなライティングをしているそうです。

私は情景浮かぶ詞好きなんですよねぇ〜これも私のお気に入り要素の一つだったんですね。気づかせてもらいました。

いつもの空

いつもの空

  • provided courtesy of iTunes

 

佐野さん来年でデビュー40周年だそうです。

いやぁ〜高校の近くの貸レコード屋で借りて聴いてから40年ですか・・

 

今でも曲がどんどん出来ているそうで、40周年に向けてレコーディングもされてるそうです。 今度は、どんなアルバムをリリースしてくれるのか楽しみです。

 

「傷ついてるのは子供だけじゃねぇぞ、大人だって傷ついてるんだぞ! 」ということです。40代50代の大人の人こそ、このような厳しい時代では良いポップ音楽が必要だと思います。

 

或る秋の日 

或る秋の日 (Alternate Mix)

或る秋の日 (Alternate Mix)

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このアルバムはリリースされてすぐに聴いて気に入っていましたが、この番組で解説を聞いてますます好きになりました。これがラジオのいいところ。

萩原さんのように引き出してくれるDJがいてくれるお陰で、ミュージシャンの考えていることがリスナーの我々に理解しやすくなります。親近感も湧きます。

 

来週のゲストは、鮎川誠さんだそうです。これまた楽しみ。

 

Barakan Beat 2019年10月13日

 

Average White Band「Pick Up The Pieces」

アヴェレージ・ホワイト・バンド(Average White Band)のテナーサックス奏者のマルコム・“モリー”・ダンカン(Malcolm "Molly" Duncan)の追悼リクエスト。74歳で亡くなったそうです。

 



このアルバムはいいです。

アヴェレイジ・ホワイト・バンド+9 (最新リマスター、新装解説、歌詞、ボーナス・トラック付)

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台風19号の被害にあわれた方、お見舞い申し上げます。

このブルースのリクエスト、心に沁みます。ベッシー・スミスのバージョンが有名で1927年ミシシッピ川の大氾濫の時の洪水を歌った歌だそうです。

 

Big Bill Broonzy「Backwater Blues」

 

Big Bill Broonzy Sings Folk Songs by BIG BILL BROONZY (1992-07-13)

Big Bill Broonzy Sings Folk Songs by BIG BILL BROONZY (1992-07-13)

 

 

ワールドロックナウ 2019年10月12日

 

新譜紹介

 

Status Quo「Backbone」

邦題「ハード・ブギーの真髄」。キャリア50年のイギリスの国民的バンドだそうです。

バンド名は「現状維持」という意味だそうです。

Backbone

Backbone

 

 

Backbone



Liberty Lane

 

 

Wilco「ODE TO JOY」

このアルバムはいいです。「歓喜の歌」

Ode To Joy

Ode To Joy

 

 

One and a Half Stars



Everyone Hides

(訳詞)

遺体を埋めた場所は分かるのに、時代を埋めた場所は思い出せない

そんな物語を自分に言い聞かせてるから

 

Hold Me Anyway



 

リクエストコーナー

 

この番組でもジンジャー・ベイカーの追悼リクエストがありました。

Cream「Fresh Cream」

Creamの3人でクラプトンしかもう残っていないのは残念と渋谷さん。

Fresh Cream

Fresh Cream

 

 

Toad

4分弱くらいがドラムソロの曲。こうゆう文化があったということを皆んなに聴いてもらいたいと思い、なかなかラジオではオンエアされない曲ですがリクエストにお応えしますと渋谷さん。

 

 

海外情報(ロンドン情報)

 

U2ボノの息子Elijah Hewsonが結成しているバンド「Inhaler」。声も顔も曲もお父さんそっくりです。

 

 

 

最後にジンジャー・ベイカーへの追悼メッセージが紹介されました。

 

ブライアン・ウィルソンジンジャー・ベイカーが亡くなったと聞いて残念な気持ちだよ。彼は素晴らしいドラマーで当時は誰もがクリームのファンだったんだ。サンシャイン・オブ・ユア・ラヴは名曲だった。」

 

ミック・ジャガージンジャー・ベイカーが亡くなったと聞いて悲しいよ。初期の頃にアレクシス・コーナーズ・ブルース・インコーポレイテッドで彼と共演した時のことを覚えている。彼は才能に満ちた熱い男で革新的なドラマーだった。」

 

ポール・マッカートニー「偉大なドラマーのジンジャー・ベイカーはワイルドで愛に溢れる男だった。彼とはウィングスのバンド・オン・ザ・ランのアルバムの時にナイジェリアのスタジオで一緒に演ったんだ。彼が亡くなったことは悲しいけれど、思い出が消えてしまうことはない。」

 

渋谷さん「ロックの8ビートのドラミングではなくて、ジャズテイストの革新的なドラムを展開する才能があって素晴らしいアーティストだったと思います。いろんな形での依存症と戦いながらも音楽を演り続け80歳まで現役であり続けたというのは、音楽の力が彼の背中を押し続けたのではないでしょうか。非常に残念です。冥福を祈ります。」