ラジオと音楽

ラジオから知った音楽のこと書いていきます

ワールドロックナウ 2019年9月29日

 

新譜紹介

 

今回は紹介された3枚とも良かったと思います。

 

Pixies「Beneath The Eyrie」

3年ぶり8枚目のアルバム。キャリア32年。グルーブ感がいいなと思いました。

アメリカのオルタナティブ、インディーズ・シーンのボスキャラ的存在だそうです。

 

On Graveyard Hill

 

 

Catfish Kate

スプリングスティーンみたいな曲。 

 

Death Horizon

アルバムのクロージング・ナンバー。  地球温暖化への危機感。

(訳詞)

死の地平線を見たことがあるかい?

ちょうど視界から消えるところ

空のずっと下、海の底にある

温度が上がってきているのが分かる

でも何が出来るって言うんだ?

あの死の地平線に

焼き尽くされることになるんだ

あいつは来てないって君は言う

全く頼むよね

僕を上から見てきたんだろ?

死の地平線を見たことがある?

ちょうど視界から消えるところを

空の下、海の底にある

 

 

 

 

Iggy Pop「Free」

イギー・ポップ自身は曲を書かず、若いミュージシャンに身を任せ、彼自身パンク・ロック的なことをやっていたのは死ぬほど好きだったわけではなく、技術がなかったからあれしか出来なかったと。本当はジャズとかファンクとか色んなことやりたかったという衝撃の告白。そしてこの「Free」では色んなことにトライしています。BBCのラジオ番組で新しいアーティスの曲を紹介し、触れる機会があったのでこのようなアルバムが作れるようになったのだと。

 

Loves Missing

 

 

 

 

We Are the People

ライナー・ノーツで頭の中にある淀んだ思いや悩みの代わりに、他人が書いた詞に浸るようになったと書いてあるそうです。そして、この曲はルー・リードの詞だそうです。

ルー・リードヴェルヴェット・アンダーグラウンドを解散して、ソロ活動を始める前、1971年ニューヨークの教会で詞の朗読をやって、その詞をイギー・ポップなりに解釈した曲だそうです。

(訳詞)

俺たちは土地を持たない人民

俺たちは伝統を持たない庶民

俺たちは心安らかに死ぬ方法も知らない民衆

俺たちは未来の終焉を悲しむ思いそのもの

俺たちは一握りの支配者と王様の道化師たちさ

俺たちは権利を持たない人民

俺たちは嘘と絶望しか知らずに生きてきた庶民

俺たちは故郷も声も模範も持たない民衆

俺たちは人々が密集する広大で凶暴な国家から帰還した未来を占う存在

俺たちはただ虚しさだけが詰まった無数な浅はかなマニュフェストの犠牲者さ

俺たち人民には悔いなんてものがない

国家の威信なんてものは打開した見せかけの才能には関心がない

俺たち庶民は感情をすっかり超越している

感情は思考に従わないからさ

俺たち民衆は自らの手で破壊することを思いつき、それを合法的に実行するんだ

俺たちは他人の執行に巣食う虫

昼間の夜間の空間の人種も国家も宗教も持たない神の犠牲者さ

俺たちは人間、人間

そんな生き物なのさ

We Are The People

 

 

Free

Free

 

 

 

Charli XCX「Charli」

イギリス出身の若い才能ある女性シンガー・ソング・ライターのトップ・グループを走る一人だそうです。

 

Warm (feat. Haim)

熱烈なラブソング。 

(訳詞)

理由を教えて、なぜ私たちが恋が出来ないか

あなたが心を開けない理由を教えてよ

あなたを天に送らなきゃ

テキーラをその舌に乗せて

私たちが恋を出来ない理由を教えてよ

何が欲しいのか教えて

あなたが一人で寂しいのを知ってるんだから

1ヶ月ロサンゼルスで一緒に遊んで

もうこの気持ちを隠せそうもない

夜遅くあなたは私が欲しいと言う

あなたはわがまま

私の体のことを考えてよ

それから二度も彼女が欲しいって言う

彼女が欲しいの?

私のようには欲しがらない

熱すぎてその場を燃やし尽くす

あなたが必要なものをあげる

なぜ、なぜ、なぜ

嘘をつかないで

なぜが望みなの?

恋してよ全てを賭けて

 

 

Official

私たちの仲がオフィシャルになるか、公的な関係になりたいという曲。

(訳詞)

あなたが聞きたくない時に私が言うこと

私が悪い決断をした時にあなたが救うこと

私のキッチンのシンクの側で私たちがやること

最初のデートを覚えている

チョコレートも花束もなかった

でもあなたのキスの仕方

これらが私たちをオフィシャルな仲にすること

 

 

 

Charli -Digi-

Charli -Digi-

 

 

 

 海外情報(ロンドン情報)

 

Liam Gallagher「Why Me Why Not」

 

リアム・ギャラガーのソロ作第2弾!いいです。今回紹介された中ではこれが一番ですね。シンプルなロックンロール。

 

自分はフロントマンであり、ソングライターとして上達したいとは思っていない。最高のフロントマンであることに徹するんだと児島さんに仰っていたそうです。自分でない誰かになろうとは思わないと。

 

児島さん、リアムからワールドロックナウ向けのメッセージをもらってくれました。

 

Be Still

 

 

 

Shockwave

 

 

 

セッション2019 2019年9月28日

三木成能クインテット

 

 

オリジナル曲を演奏されましたが、三木さんは左手に「ジストニア」という病気を患っているそうで、小指と薬指が上手く使えない状態だそうです。5年くらい前から症状が出始めて色んな治療を試みたそうですが仲々良くならない。ピアノを辞めるわけにも行かず、病気を受け入れた上で手をグーにしながら弾いたり、使える三本の指だけで弾いたり、工夫をして演奏されているそうです。それらの経験を通じて、自分が本当にジャズを演奏するのが好きなんだなぁと気付いたことも大きかったし、ピアノをバリバリ弾きたいというよりは自分の作った曲を皆さんに聴いて頂きたいという思いが凄く強くなったそうです。それで病気をきっかけに作曲をより沢山するようになったそうです。

ジャズのスタンダードを楽しみにしている方も多いと思うが、三木さんのオリジナルも楽しんで欲しいということです。

 


 

パープル・ムーン

パープル・ムーン

 

 

私は3月までクラシックギター教室に通っていたのですが、先生曰く「ジストニア」になられるプロギタリストも少なくないそうです。原因は分からず、人によっては神経を切る手術をされる方もいるそうです。

私も手にトラブルが多く結局ギターを弾くのは諦めたのですが、プロとなると全然話が違いますよね。相当なご苦労と心労がおありかと思います。

 

 

ウィークエンドサンシャイン 2019年9月28日

 

新譜紹介

 

Brittany Howard「Jaime」

 

渋谷さんの「ワールドロックナウ」でも紹介されましたが、バラカンさんも紹介してくれました。ブリタニー・ハワード(Brittany Howard)の新譜。 アラバマ・シェイクスとはかなり違った雰囲気のアルバム。

アルバム・タイトル「Jaime」は、ブリタニーのお姉さんのこと。お姉さんに捧げたアルバム。お姉さんは13歳でかなり珍しい目のガンの為に亡くなったそうです。

ブリタニーは今30歳。アラバマ・シェイクスがデビューしたのが2012年。もう7年前。2015年に2枚目のアルバム「Sound & Color」を出してから曲があまり作れなくなって、彼女は精神的にも疲れていたみたいで、しばらくバンドを離れて一人で別のプロジェクトをやりたいということでした。また、ちょうど2作目を出した時に、彼女は自分がゲイだという自意識が確立されたようで、今は女性のパートナーと共にLAで暮らしているそうです。南部はまだまだ保守的なところがあって、そういった意味でも離れたいという気持ちになったようです。

 

 

Jaime

Jaime

 

 

 

History Repeats

 

歴史は繰り返す。歴史から学ばなければ。歌詞はシンプル。

 

もう二度とここには戻りたくない

色々泣いたし、色々試したし、失敗もしたし

とにかくもうやりたくない

 

という感じの歌詞だそうです。

バラカンさんはプリンスの影響を受けていると感じたそうです。

 

 

 

Short And Sweet

 

ブリタニーが一人で演奏している曲。 

 

 

 

Goat Head

 

彼女のお父さんが黒人でお母さんが白人で、非常に保守的なアラバマで育っている。

子供の時代のトラウマになったことについて歌っている。

 

(訳詞)

トマトは緑色、棉は白

私のヒーロー達は、みんな黒

なのに神様は何故目が青いの?

お父ちゃんは残ってくれた

お婆ちゃんはメイドだった

お母ちゃんは白人なのに、私を外に連れてってくれたのはとても勇気があった

お父ちゃんは黒人だ

私ができた頃は、色々と地元の人たちが怒ったんだろうね

自分の色についても今は分かっている

でも知りたいのは、お父ちゃんの車のタイヤを切ってしまった人は誰だろう?

また車の後ろにヤギの頭を入れたのは誰だろう?

私はそんなことを知るはずはなかっただろうね

 

この曲のキーボードはロバート・グラスパーです。 

 

Goat Head

Goat Head

  • ブリタニー・ハワード
  • ポップ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

 

Robbie Robertson「Sinematic」

 

シネマティック

シネマティック

 

 

Once Were Brothers

 

かつてのThe Bandのメンバー達のことをちょっと辛く振り返っている曲だそうです。

 

 

 

Remembrance

 

アルバムの最後に入っているインストゥルメンタル。昨年亡くなったマイクロソフト社共同創業者 ポール・アレンに捧げた曲。

ポール・アレンはものすごい音楽ファンでギターのコレクションもすごいものを持っていたそうです。ミュージシャン達が交流する為のクルーズを毎年企画して、完全招待でさまさまな分野のミュージシャン達を呼んで、みんなが一緒に自由に交流できるような場だったそうです。彼が亡くなった後も続いているそうです。

デレク・トラックスとドイル・ブラムホールもギターで参加しています。

 

 

 

追悼

 

デレク・トラックス・バンドのドラマーとして活躍したヨンリコ・スコットが9月19日に逝去しました。享年63歳。

 

Derek Trucks Band「I Wish I Knew (How It Would Feel To Be Free)」

これいい曲ですよね。2006年の「Songlines」というアルバムに入っています。

デレク・トラックスが初めてアルバムを出したのは1998年。デレク・トラックスは18歳でした。バンドの結成は1995年、デレクが16歳。ヨンリコ・スコットは、この時40歳。デレクにとっては殆どお父さんのような存在だったそうです。デレク・トラックス・バンドが解散したのは2009年。翌年に奥さんとテデスキ・トラックス・バンドを結成し、殆どメンバーが代わって、キーボードのコフィ・バーブリッジとボーカルのマイク・マティソンだけが残りました。コフィは今年の初めに残念ながら亡くなってしまいました。そしてヨンリコも亡くなってしまいました。

 

 

Songlines

Songlines